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やまと建築詩

山尾家(橿原市) ◎県指定文化財

幕末の庭園形式を残す

 今井まち衆博物館新堂屋として知られる山尾家。県指定文化財になっているこの家の特徴は、3カ所の坪庭だ。いずれも町屋における幕末の庭園様式をそのまま残し貴重。中央に宝船に見立てた庭石を置くなど趣向が凝らされている。ほかの町屋では家屋の解体修理の際、資材置き場になるなどして形態が変わってしまうが、同家は建築後、解体修理が行われていないため庭が保存された。

▲商家らしく格子戸のある「どま」。明るい光が差し込む。

 表通りに面した坪庭には勅使門があり、畝傍陵参拝時の勅使館として使われていた。明治10年の明治天皇行幸の折には、三条実美や木戸孝允(桂小五郎)が投宿。三条はここで西南の役の一報を聞いたという。

 新堂屋は、天文4(1535)年に桜井の新堂村会津屋の分家として今井町に居を構えた。代々弥三郎を襲名。初めは肥料や木綿などを扱っていたが幕末には両替商を営み、今井の町年寄りを務めた、という。昭和60年に県の文化財指定を受け、同63年には向蔵を利用した今井まち衆博物館を開館した。

 とても部屋数の多い建物だが、公開しているのは中央から西側にかけての部分。基本は六間どりで「みせのま」「みせおく」「なかのま」「なんど」「だいどころ」「つぎのま」。勅使館となっていた「上段の間」は文化3(1806)年に増築されたもの。隣接する「つぎのま」よりも一段高い床、技巧の凝った欄間(らんま)など特徴も多い。上段の間の北には内蔵、坪庭をはさんで向蔵なども見える。

欄間

▲細かい細工を施した上段の間の欄間(らんま)


上段の間の「まつのま」

▲上段の間の「まつのま」。勅使を迎えたこの部屋は豪華


勅使門のある坪庭

▲勅使門のある坪庭には江戸時代の灯ろうも。
右手には上段の間の「まつのま」が見える

DATA

● 山尾家 ●

橿原市今井町1丁目3-22

開館時間は午前10時から午後5時まで

【入館料】大人・大学生:400円、中・高生:300円、小学生200円(30人以上の団体は割引あり)

※休館日は不定のため要確認を

【問い合わせ】
同家、電話:0744-23-9478

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

 

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