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やまと建築詩

近鉄あやめ池遊園地円型大劇場(奈良市)

日本初の斬新スタイル

 大正15年6月11日に開業した近鉄あやめ池遊園地。昭和29年春に行われた「第2回日本ステートフェア」では入場者が100万人を数えるほどの盛況で、この時期に全長約225メートルの空中観光ロープウエーや自然博物館を開設した。ドーム屋根が特徴的な円型大劇場が完成したのは昭和31年3月。以後、OSK松竹歌劇団(日本歌劇団)が定期公演を今年の5月5日の最終公演まで行っていた。

 同劇場のこけら落とし記念公演のプログラムに記されている当時の佐伯勇近鉄社長のあいさつ文によると「当大劇場は本邦最初の斬新な理想的円型劇場で、鉄筋コンクリート2階建て、1部地階、延べ1000坪(約3000平方メートル)、収容3000人、舞台様式はプロセニヤムアーチ、高さ25尺(約7.5メートル)、幅65尺(約19メートル)、奥行き50尺(約15メートル)、直径(約12メートル)の回り舞台、セリ上がり3ヵ所その他ホール、ロビー、喫茶室など各種の付属設備を有し…」と述べられている。

円型大劇場の内部

▲円型大劇場の内部。平成7年に改修が行われているため美しい

 設計は当時円型建築で随一の定評があった新進気鋭の建築家、坂本鹿名夫氏によるもの。円型の客席、パラボラアーチを描く舞台、木造の楽屋からなり、当時、客席の天井は鉄骨の構造材が装飾的にあしらわれていた。

 現在も、当時の姿とはあまり変わっていない。平成7年3月に改修工事が行われたが客席や内装・外装や、照明、音響設備などに手が加えられている。このため、観客席は美しく保たれている。現在の定員は1300人。また、天井には白い布が張られ構造材は見ることができない。舞台の形状などは変わっていない。

 この特徴的なステージは、今後は貸し館として活用していくことになる。過去にも幼稚園の発表会や、学生のファッションショー、カラオケ大会などが行われていた。この夏には自主公演のキャラクターショーの実施が予定されているがまだ、手探り状態という。往時の華やかさをもう1度見たいものだ。

ロビー

▲OSK日本歌劇団の最終公演の
余韻を残すかのようなロビー

上空から

▲上空から眺めると円型の
特徴的な デザインがわかる


写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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