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万葉の景色

大原の里

雪詠み合う二人の絆

雪の大原

▲雪の日のほほえましい贈答歌の舞台、大原の里。
珍しく雪が積もった1月末、当地を訪れた(明日香村小原)

 三寒四温を繰り返し、春が訪れる。寒の戻りか、しばらく寒い日が続いた。冬の決算はまだ早いようだが、1月末、一面銀世界と化した明日香路もいま、梅がほころび早春の装い。

 万葉の時代とて雪は珍しかったのだろうか。天武天皇は大原にいる藤原夫人(ぶにん)に自慢気に雪の歌を詠み、贈った。

 『 わが里に 大雪降れり 大原の  古りにし里に 降らまくは後 』 (巻2-103)


 「その雪は私の住んでいる大原の水神に祈り、降らせた雪のかけら」ときついしっぺ返し。もちろん、2人が深い絆(きずな)で結ばれた証でもあり、頂点に立つ権力者が見せたつかの間の安らぎか…。絶妙な言葉のキャッチボールだが、思うに2人で雪遊びでもして楽しんだのでは。無邪気な姿が垣間見られる。

 藤原氏の本貫、大原。飛鳥坐(あすかにいます)神社の横、緩やかなカーブを上ると、右手に鎌足の母・大伴夫人の墓所と伝えられる小さな丘や大原神社があり、その裏手が鎌足生誕の地と言われ「産湯の井戸」などが残る。神社の前には二首、仲良くしたためられた歌碑があり、今に伝える。目の前には県万葉文化館も。

▲のどかな田園風景が残る大原。ロウバイが咲き始めた


写真と文 牡丹 賢治

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