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やまと建築詩

旧柳生藩家老屋敷県指定文化財(奈良市)

風格ある武家屋敷様式

 NHKで放送され人気を呼んでいる大河ドラマ「武蔵」。生涯無敗の剣豪として知られた宮本武蔵の心のふるさと柳生が注目を集めている。ドラマでは、柳生は若き日の宮本武蔵がその波乱万丈の修行時代に剣の道を極めようと訪れた場所。「剣の道」のほか己の内面に強さを問う「心の修行」にも深いかかわりを持つ地だ。

殿様用客間

▲玄関の間から殿様用客間を見る。
ほとんど使われることはなかったというが、風格が漂う

 剣豪たちが歩いた柳生街道も、現在はハイキング客らでにぎわう。この街道の終点とも言える場所が旧柳生藩家老屋敷。江戸末期の柳生一万石の家老・小山田主鈴(しゅれい)の旧邸で間取りや屏風(びょうぶ)、鴨居(かもい)など武家屋敷の様式を現在に伝えている。県内に現存する武家屋敷は数少ない。

 高い石垣の上に建つ屋敷は門と主屋、井戸が現存する。主屋は江戸時代の嘉永元(1848)年に完成した。国家老として江戸から奈良に移り、柳生藩南都屋敷を預かり藩財政を立て直した小山田主鈴が退隠し余生を送った家。2ヶ所ある玄関や殿様用客間、建物の中央部にある仏間など特徴の多い建物だ。


▲庭園には樹齢約200年カエデやカシ、モチの巨木も

 江戸在住の柳生藩主のために用意された殿様用客間は、ほとんど使用されることがなかった部屋。約250平方メートルの庭園は大阪の茶人木津宗詮の指導を受けたと伝えられる。カエデやカシ、モチの巨木は樹齢約200年。

 この家は昭和31年に小山田家の子孫から別の人の手に移り、昭和39年に作家の山岡荘八氏の所有となった。昭和46年にNHKで放送され人気を呼んだ大河ドラマ「春の坂道」もここで構想を練ったという。山岡氏の死後、昭和55年に遺族が奈良市に寄贈。庭園と塀を修復するなどして昭和56年から一般公開している。同59年に主屋と表門が県指定文化財となった。

 表門は柳生観光協会(徳田好造会長)の事務局になっている。同観光協会の前会長・畑中孝造さんは家業の酒造業のかたわら柳生観光と地域発展に尽力。ことしの大河ドラマ「武蔵」のスタートを見ることなく昨年、急逝した。


DATA

● 旧柳生藩家老屋敷 ●

奈良市柳生町155-1

見学は年中無休(年末年始のみ休み)。
見学時間は午前9時から午後4時半まで。
入場料は大人300円、小・中学生は150円。団体割引もあり。

【問い合わせ】
柳生観光協会、電話:0742-94-0002へ

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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