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やまと建築詩

菊水楼(奈良市)◎登録文化財

和の心でもてなしの美

 春日大社一の鳥居前に建つ古都・奈良を代表する料亭・菊水楼(岡本博行代表取締役)。創業は明治初年で現在は政府登録国際観光旅館、政府登録国際観光レストランとして本格懐石料理や和食、フランス料理などを楽しむことができる。

 岡本家は豊臣秀長の時代から続く郡山の旧家。明治維新まで郡山城下で旅籠(はたご)「菊屋」を営んでいた。廃藩置県と同時に奈良に移り興福寺の宿坊と周辺の土地を買い取り、明治24年、菊水ホテルとして創業した。


▲表門から本館を望む。寺院を思わせる門が歴史を感じさせる。
堂々とした3階建ての本館は水を打たれた石に映える優雅な和空間を演出

 平成12年に登録文化財となったのは「菊水楼表門」(江戸時代)、「同庭門」(同)、「旧本館」(明治24年)、「本館」(明治34年)。開業当時からある表門は、もと円成寺塔頭(たっちゅう)にあったものを移築したと伝えられる。この塔頭が南北朝の武将、楠正行にゆかりがあり「菊水」の文字を取り入れ「菊水楼」とされたという由来がある。

 表門をくぐると県内でも希少な木造3階建て和風建築が現れる。この建物が本館で菊水楼の顔ともいえる。本館と旧本館は東西につながり長い廊下が延びる。本館1階は広間、ロビー。2階はロビーや客間。3階は大広間となる。旧本館は1、2階とも客間で1階奥には特別室の「牡丹」、2階は鹿の一刀彫があしらわれた「春日」などがある。

玄関天井

▲菊水を表す意匠が施された本館の玄関天井

本館2階ロビー
▲大胆でモダンな壁面デザインの本館2階ロビー

 客間は床柱に古木や銘木を使うなど各部屋で異なった細工やレイアウトがなされ非常に凝った意匠の造りとなっている。部屋には南都の有名寺院の僧侶による書や高名な画家の絵が飾られ、料理と取り合わせた美術的「もてなし」の心が伝わるようだ。

DATA

● 菊水楼 ●

奈良市高畑町1130

政府登録国際観光旅館。
料亭などとして使われているため食事や宿泊が可能。

【問い合わせ】
電話:0742-23-2001

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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