あす20日で、地下鉄サリン事件が23年となる。同じ平成7年の1月17日には阪神大震災。両方の大惨事の意味について、改めて自問する。

　以後も、7年前の東日本大震災をはじめ地震はいくつもあり、遠くない将来に南海トラフ巨大地震も予測される。私たちは「自然」についてどれほど賢くなったか。

　米国での「9・11同時多発テロ事件」は平成23年。今も世界各地で戦争は起き、東アジアの情勢も不透明感が続く。私たちは「国家」や「社会」についてどれほど賢くなったか。

　平成7年の二つの「大事件」で、根底的に見直さなければ、と当時は強く思った。何を見直さなければいけないのか、はっきりとは分かっていなかったにしてもだ。

　地下鉄サリン事件と「オウム真理教」を結び付けたものは何だったか。なぜ過去に例のない大量無差別殺傷へと走らねばならなかったのか。全体像は今もつかめない。

　ただ、地下鉄サリン事件や同時多発テロからの一連の戦争、阪神大震災、東日本大震災などを乗り越えねばならないことは確かだ。さらに深く、粘り強く、耐えて自問を続けよう。(北)