報道で知って、情けない気持ちになった人は多いのではないか。サッカーのJ2リーグ戦で徳島の選手がボールボーイを小突いて一発レッド(退場)となった。

　試合の補助をボランティアでしている少年に対してである。選手は少年の動作が遅く感じたので腹が立ったそうだが、常識外れの暴挙だ。

　ボールボーイ役をするからには少年サッカーの選手だろう。憧れの存在であるJリーガーから暴行された少年の気持ちを考えると心が重い。

　少年にはその後、審判や他の選手から声かけやフォローがあったようだ。しかし、徳島のサポーターが試合後、別のボールボーイにアルコールのような液体をかけたという。

　「だから、小さいころから『しつけ』が必要なんですよ」と教育勅語信奉者から言われそうで、個人的には気分が悪い。ただ、教育勅語問題とは別に今の世の中、マナー教育は重要だ。

　大阪場所の際、県内に合宿する錣山(しころやま)親方は弟子・豊真将引退で「礼で始まり、礼で終わる相撲道を体現した」とたたえたが、相撲だけでなく、すべてに通じるだろう。(栄)