国庫交付金にからむ虚偽申請が発覚、職員の法令順守とともに市長の進退を問う声まで出た大和高田市で、また過大交付の問題が明るみに出た。

　県から指摘を受けた市は、事業で用地を取得する際に誤って古い土地鑑定評価を使用したことなどが原因と説明、意図的な不正は否定したという。

　今年3月以降、市議会が調査特別委員会を設置して真相究明に当たった事案では、管理責任があるとして市長らの給与減額が決まったが、職員一人ひとりまで痛みが伝わっているのだうろか。

　新たに分かった過大交付は、前回と同じ事業の中で起きていた。これで最後というなら良いがたたけば、まだホコリが出てくる懸念もぬぐえない。

　公金を扱うのだから、ごまかしはもちろん、規定を踏まえず適当に処理することも許されないのは当然。加えて旧態依然とした公務員気質を廃し、より正確で効率的な職場づくりも求めたい。

　各地域が活性化策を競う時代。行政は民間の取り組みを先導する役割も担う。思い切った改革で行政力を高め、かつて商都と呼ばれた大和高田市の誇りを取り戻してほしい。(松)