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国原譜

1945年に自殺したはずのヒトラーが現…

 1945年に自殺したはずのヒトラーが現代のドイツによみがえり、大衆の心をつかんでいく。参院選を前に日本でも公開されたドイツ映画「帰ってきたヒトラー」が話題だ。

 「1933年当時、大衆が扇動されたわけではない。彼らは計画を明示した者を指導者に選んだ。私を選んだのだ」。終盤、本物だと気付いた男にヒトラーは語りかける。

 ヒトラー率いる国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)が政権をつかんだのは1933年。国政選挙で第一党となり、ヒトラー内閣が発足した。2カ月後に全権委任法が成立し、憲法に縛られない無制限の立法権を手に入れる。

 国民が政治家を生み、良くも悪くもその結果を負う。ヒトラーはどん底だったドイツ経済を立て直し、開戦で国家自体を滅ぼした。

 映画では、難民受け入れに対するドイツ国民の不満も浮き彫りにされていた。第一次大戦後のドイツでも、移民は社会問題だった。

 「私はあなた方(現在の国民)の中にいる」というヒトラーのせりふは意味深だ。いつかきた道が見え隠れするのはドイツだけではないだろう。(増)

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