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国原譜

思わぬところに法隆寺が登場した。仕切り…

 思わぬところに法隆寺が登場した。仕切り直しとなった新国立競技場の建設計画は、建築家の隈研吾氏による「A案」の採用が決まった。

 ひさしのデザインは垂木を連想させ、法隆寺など日本の伝統建築にヒントを得たという。当初案を撤回されたザハ・ハディド氏は類似性を指摘するが、素人目には全く違うものに見える。

 A案については、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「お墓のようだ」と発言して物議を醸した。建築家の尊厳はもっと重視されるべきだろう。

 A案は工期の短縮も大きな勝因という。巨大な建築物を効率的に完成させた工事といえば、鎌倉時代の大仏殿復興が思い浮かぶ。

 再建を任された重源上人は、中国の様式をヒントに独自様式を考案し、上棟から5年で見事完成させた。大仏様(よう)と呼ばれるその様式は、今も南大門で見ることができる。

 新国立競技場にも工期と予算の圧縮が求められ、隅氏の創意工夫がA案を生み出した。重源上人の大仏殿は戦国期に焼失するが、「伝統」をキーワードに二つの巨大建築がつながったように感じた。(増)

 

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