「人の行く裏に道あり花の山」。数多い株式投資の格言の中でも代表的な言葉である。要するに付和雷同してはいけない。むしろ他人とは反対を行った方が成功すると説く。

　少し持ち直したとはいえ、中国上海株式市場の暴落から世界の株式市場が混乱。東証1部の日経平均も2万円を大きく下回っている。格言通りなら、ここは買いだろう。

　ところが、そうは簡単にはいかないのが投資の世界。米国のあるヘッジファンドは、ノーベル賞経済学者2人を顧問にしながら破たんした。

　現在、中国の経済に対して世界中が疑心暗鬼になっている。中国経済はバブル状態で崩壊するのではないかとの懸念。バブル崩壊なら米国、日本は経験がある。

　1920年代、経済繁栄の黄金時代を迎えた米国で、1929年に突如ウォール街の株式市場が大暴落。それがきっかけに30年代の世界恐慌となり、第2次世界大戦につながった。

　歴史本での知識だけだが、何だか日本をはじめ世界の雰囲気が戦前に似てきた感じがするのは筆者だけだろうか。歴史は繰り返すというが、過ちは繰り返してはならない。(栄)