特集奈良の鹿ニュース

国原譜

国会で審議中の安全保障関連法案。これを…

 国会で審議中の安全保障関連法案。これを考える際、太平洋戦争敗戦から70年の歩みを振り返ることが欠かせない。特に歴代首相の発言は重要だ。

 「正当防衛権を認むるということそれ自体が有害」(昭和21年6月、国会答弁)。「自衛のための戦力を禁じたわけではない」(昭和27年3月、国会答弁)。

 二つとも同じ首相の発言で、憲法9条関連の質問に対する答弁だ。憲法解釈の最大の変更が戦後すぐの数年の間で行われたことを示す、歴史認識のための貴重な資料だろう。

 この二つの発言の間には朝鮮戦争と警察予備隊(後の自衛隊)の発足がある。背景に透けて見えるのは米国の圧力であり、この変更によって時代は変わったというべきだ。

 二つの発言の主は当時の吉田茂首相。私たちはあらためて、吉田内閣時代の政府の歩みを記憶に刻むべきだ。国民の総意が問われないまま何が行われたかを知るために。

 安倍晋三首相の戦後70年談話にある「積極的平和主義」にしても評価はこれから。故吉田首相が自衛戦力容認から始めた戦後政府の歩みを検証し、安保関連法案を考えよう。(北)

 

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