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国原譜

戦後70年の年の8月。猛暑の下で奈良公…

 戦後70年の年の8月。猛暑の下で奈良公園の玄関口、登大路園地の鹿に歓声を上げる外国の人たちが絶えない。夏休みの観光だろうか。

 さまざまな国の言葉を耳にする。中国や台湾からとみられる人たちも多い。おもてなしの実践の機会にはまだ恵まれていないが、道案内でも問われたら、精いっぱい応えたい。

 この光景から見る限り、人々が暮らす社会は国を超えて行き交い、お互いの理解と友好交流の促進に向けて順調に前進しているようにしか見えない。

 一方で安倍首相は、安全保障関連法案の審議が参議院に舞台を移してから、なぜか「中国の脅威」を多く口にするようになった。国家間(政府間)ではそれほど関係が悪いのか。本当はどうか。

 集団的自衛権などをめぐる論議がいつまでも明快さを欠き、政府首脳や官僚の発言からほころびも出始めた。「中国の脅威」が目先を変えるためであれば困る。

 国家イコール社会ではない。国家は社会より小さい。太平洋戦争で国家の迷妄に深く傷つき、そこから立ち直ってきたわが国の民衆は、奈良公園で平和の道への交流を深めている。(北)

 

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