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国原譜

桜だよりが各地から伝わる。大和路も開花…

 桜だよりが各地から伝わる。大和路も開花宣言へ秒読み段階。もっとも気象庁では「宣言」などはしておらず、開花したと発表するだけ。マスコミが勝手にそう呼んでいる。

 それでも開花、開花とやかましいのは、桜が数ある花の中でも特別の地位にあるからだろう。パンパカパーンとファンファーレが鳴り響くような華やかさがある。

 毎年同じ場所に美しく咲いても、眺める人の精神状態は決して同じではない。人事の季節であればなおさら。「年年歳歳、人同じからず」とは言い得て妙だ。

 金子みすゞの詩に〈お花が散って/実が熟れて、/その実が落ちて/葉が落ちて、/それから芽が出て/花が咲く。/そうして何べん/まわったら、/この木は御用が/すむか知ら〉とあった。

 先の大相撲春場所で、定年退職した行司の第37代木村庄之助さんは「明鏡止水」と書かれた軍配で最後の土俵をさばいた。出身地青森の地元紙のサイトで見た。

 「今はすがすがしい気持ちで涙もありません。これまで散々泣いてきたので、きょうは泣きません」。精進の足りぬ凡人はなかなかこうはいかない(コ)

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