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国原譜

拉致被害者・横田めぐみさんの両親、横田…

 拉致被害者・横田めぐみさんの両親、横田滋さん、早紀江さん夫妻がこの前に県を訪れたのは10月だった。夫妻は県民への一層の支援も求めた。

 県庁では前田努副知事を前に、安倍晋三首相に向けて「今度こそはやってもらえると期待している。頑張ってほしい」と熱い期待を表明してもいた。

 そんな矢先、北朝鮮でナンバー2の地位にいたとされる人物が軍事裁判で死刑判決を受け、処刑されたという衝撃的な報道に接した。こちらでは報道が事実かどうかの確認もできない。

 すぐに思い浮かぶのは「闇のなかから鉤がでてきて一人の男をつりあげ消え去ったとすれば、それは権力が働いたのである」(埴谷雄高「幻視のなかの政治」)という言葉だ。

 間違いなく権力が働いており、「そこには奥の見えぬ闇の恐怖がある」(同)というわけだ。さらに「自己満足を感じているひとりの愚昧な政治家」(同)もいるようだ。

 古めかしい、むき出しの権力の姿がここにはある。このような国家に捕われた人たちを救出する道はどこにあるか。絶望せず、粘り強く、必死に探っていかねばならない。(北)

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