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国原譜

全容が明らかになった飛鳥京跡苑池では、…

 全容が明らかになった飛鳥京跡苑池では、池に面した建物で宴会が行われていたという。古代の人々の酒好きは相当だったらしい。

 奈良文化財研究所の馬場基さんは、著書「平城京に暮らす」で下級役人の生活に迫った。神事に限らず、憂さ晴らしに一杯ということもあったようで、現代のサラリーマンと変わらない。

 続日本紀には禁酒令の記事が登場する。758年の禁令は「みだりに政治をそしり、酔い乱れて節度をなくし、揚げ句の果てにけんか沙汰」というのがその理由だ。

 世の風紀を正すため、身から出たさびと言えばそれまでだが、馬場さんは酒を口実に人が集まり、政治を非難するのを嫌った側面もあるとみる。藤原仲麻呂の専制政治が仕上げに入ろうという時期だった。

 表向きの趣旨は当然のようでも、運用次第で為政者を利する。自民1強を背景に採決された特定秘密保護法案は、とても民主主義の産物とは思えない。

 民意軽視の政治には、酒の席でなくとも憤怒の声を上げればよい。ただ、政権が変わっても法律は簡単に消えない。仲麻呂の時代より始末に悪い。(増)

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