大阪維新の会が、地方議員に加えて国会議員も参加できる組織に衣替えをするという。存在感が薄れつつある奈良維新の会とは対照的な動きだ。

　元はといえば大阪府知事、今の橋下大阪市長の強い政治力のもとに誕生した地方勢力。国政進出を果たし、改めて足場を固め直す方針なのだろう。

　ただ、国会議員5人以上が名を連ねて政党要件を満たした場合、旧太陽の党メンバーを含む日本維新の会との関係が問われるのは必至。組織の多重化を容認するのか、東西分裂へと進むのか。

　そうした中、県内では昨年の衆院選をピークに維新勢力が後退。参院選で候補予定者が出馬を取り止める事態に至り、県内組織も事実上崩壊した。

　それでも同党は参院選の比例代表で自民に次ぐ支持を獲得。同日投票の奈良市議選でも奈良維新の会の公認候補がトップ当選しており、県内で有権者の期待に応える取り組みは放棄できない。

　従来型の政党とは違う理念があるのだろうが、組織運営の不明朗さに振り回される。大阪だけの問題ではなく、奈良市会の会派問題や県組織の立て直しにも注目が集まる。(松)