国原譜
奈良テレビの「開運なんでも鑑定団」で、…
奈良テレビの「開運なんでも鑑定団」で、種田山頭火の短冊や屏風に1千万円を超える値が付いた。欲しいとは思わないが、高いのか安いのか。
「分け入つても分け入つても青い山」などの句は、同じ自由律の尾崎放哉とともに人気が高い。作品以上に漂泊のイメージが人々の共感を呼ぶのだろう。
昨日の本紙に、黒滝村の中井龍彦さんが「漂泊者の紡ぐ望郷歌」と題し、故郷を離れ都会で生きる人の切ない漂泊流離の心情を、寺山修司の歌などを引いて考察している。
「都市化といううねりの中で故郷を離れ、あるいは追われた人々にとっての望郷歌は、必ずしも懐かしさばかりではなかった」。地元に生きる人の言は、便利さに安住する身には重い。
その中井さんから、歌集「憑樹(ひょうじゅ)」(ながらみ書房)が届いた。還暦を記念して初の出版。若いころは前川佐美雄、壮年期は前登志夫といった大御所に師事した。
「人と熊折り合へず棲む森ゆけりどんぐりの唄くちずさみつつ」「若き死者送る春の日うす朱く山の桜も色づきそむる」などの歌が、早く帰れと呼んでいるようだ。(コ)
「分け入つても分け入つても青い山」などの句は、同じ自由律の尾崎放哉とともに人気が高い。作品以上に漂泊のイメージが人々の共感を呼ぶのだろう。
昨日の本紙に、黒滝村の中井龍彦さんが「漂泊者の紡ぐ望郷歌」と題し、故郷を離れ都会で生きる人の切ない漂泊流離の心情を、寺山修司の歌などを引いて考察している。
「都市化といううねりの中で故郷を離れ、あるいは追われた人々にとっての望郷歌は、必ずしも懐かしさばかりではなかった」。地元に生きる人の言は、便利さに安住する身には重い。
その中井さんから、歌集「憑樹(ひょうじゅ)」(ながらみ書房)が届いた。還暦を記念して初の出版。若いころは前川佐美雄、壮年期は前登志夫といった大御所に師事した。
「人と熊折り合へず棲む森ゆけりどんぐりの唄くちずさみつつ」「若き死者送る春の日うす朱く山の桜も色づきそむる」などの歌が、早く帰れと呼んでいるようだ。(コ)