ロンドン五輪の開幕が、世界に勇気と希望を与えてほしい。そんな思いで、テレビの開会式を見た人も多かったのではないか。

　世界の情勢は不安なままだし、金融危機は続いている。それだけに開会式の演出は、世界は一つの願いを込めたものになった。これから競技は本番となるが、出場選手の健闘を祈りたい。

　同じスポーツでも、高校野球の県大会は、いよいよきょうが決勝だ。天理、畝傍の対決は球趣を盛り上げる。両校の準決勝での死闘はみごとだった。

　粘る橿原学院を振り切った天理、王者・智弁学園に常に先行した畝傍。両試合を見ていて、どちらにも勝たせてやりたいと、そんな気にさせた。これが高校野球だ。

　決勝は巧者・天理に畝傍が挑む形だ。ここまで勝ち上がってきた両校なのだから、好試合が期待されよう。歴史の古い伝統校同士なので、多くのOBが声援を送るだろう。

　世の中は閉塞(へいそく)感が漂っている。オリンピックも高校野球も、そんな暗い気分を吹き飛ばしてくれる。そして暑さもピークにあり、スカッとしたいものだ。(治)