12月11日の「奈良マラソン2011」開催を前に、プレイベントとなるランニング教室がスタート。2度目の大会成功に向けムードを高めたい。

　それにしてもマラソン人気は凄い。平城遷都1300年祭の一環だった昨年はもちろん、今年もフルは募集開始から3日で参加者が定員に達した。

　ランナーだけでなく観戦者の視線も熱い。何も今に始まったことではなく東京五輪で円谷選手が銅メダルに輝く以前から駅伝を含む長距離走は人気競技。たぶん日本人の感性に合うのだろう。

　苦しくても音を上げず、小さな一歩をコツコツ積み重ねる。そのことに大きな意義を見出すからこそ選手は走り続け、観戦者は声援を惜しまない。

　思えば天災とともに生きてきた歴史が、そんな国民性を育てたのかもしれない。東日本大震災では悲しみに耐えつつ黙々と復興に取り組む被災者に、海外メディアが感嘆の声を挙げたという。

　だが困難に立ち向かうには周囲の支えと確かな目標が欠かせない。1300年の歴史を祝って始まった奈良マラソン。今年は災害復興支援を掲げ、未来につなぐ大会となる。(松)