特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

かつて崩土や土石流を山津波と呼んだ。海の…

 かつて崩土や土石流を山津波と呼んだ。海の津波は経験しなくとも、山間には山間の自然災害の恐ろしさを海の津波に比して想像したのだろう。

 台風12号による集中豪雨で、五條、十津川を中心に県内の被害がさらに拡大している。死者・行方不明24人という数字に、息をのむばかりだ。

 この台風は8月25日に発生してから上陸まで天気図に予想進路が示され、刻々と動きが報じられた。速度が遅く雨風の時間も長いと危険性も予知された。それでも逃げ切れないのである。

 危険が迫っていても「自分だけは大丈夫」と考えるか、あらゆる経験を駆使して危険から逃れるか難しいところだ。情報は十分にあっても、個人の判断で行動に移すのは難しい。

 そのために行政による避難勧告や指示がある。被害を想定した中で、あらゆる事態に対応できるように防災計画を作成し、予防、対策を行うことは行政の責務だ。

 いまだ被害の全容がつかめず、現場が危険で行方不明者の捜索すら難航する中で、責任うんぬんは尚早かもしれないが検証は必要だ。山にも、海のような危険があると再認識した。(コ)

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