特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

原稿受信時に通信社から案内音が入る。「ピ…

 原稿受信時に通信社から案内音が入る。「ピーコ」と呼んでいるが、先週から「ボンボンボン」と電車の出発合図のような音に変わった。

 なじめずにいたところへ11日の大地震。巨大津波、原発事故と立て続けに鳴る別のチャイムと相まって終日落ち着かない。送信される情報は暗然とするものばかりだ。

 紙面でお届けするのは、その一部に過ぎないが、報道の前線から送られてくる記事や写真は想像の尺度を超えている。それでも直視すべきものを外してはなるまい。

 死者、行方不明者、けが人、家屋流失・焼失・倒壊など桁外れの数字の陰に涙と絶望がある。「生き残ったのがよかったのか悪かったのか」。ため息まじりの被災者の言葉。

 それでも、1人でも多くの人命が救われなければならない。福島原発の爆発で依然として危機にさらされる人たちも同様だ。逃げ延び、生き延びねばならない。

 いつもと違う事態が起きたとき、誰かのせいにしたくなることがある。ピーコの音が変わったせいにしたくはないが、金メダルやノーベル賞など朗報時に鳴るにぎやかなチャイムが待ち遠しい。(コ)

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド