菅内閣の支持率が20％を割った。13日付の共同通信調査では発足後最低の19.9％。いよいよ「危険水域」かと取り沙汰されている。

　潮流や川の流れが複雑で、暗礁があったりして船が遭難の恐れがある場所、あるいは海賊に襲われたり紛争に巻き込まれる恐れのある場所を危険水域という。

　内閣が難題を抱えて右往左往するのは勝手だが、国民生活を危険な目に遭わされては困る。問題は首相のリーダーシップ欠如であろう。決断すべきときに逃げていては総理大臣は務まらない。

　安倍晋三首相誕生以来、鳩山由紀夫氏まで4代続いた二世(世襲)議員から市民派の宰相登場で期待を集めたものの、テレビに映る表情を見るまでもなく荷は重そうだ。

　先週の党首討論でも、得意の弁舌はさえず防戦一方だった。見るべき手腕らしきものがないとしたら、せめて「政治とカネ」の問題で存在感を示せると思うのだが。

　昨日の民主党役員会では首相も出席し、強制起訴された小沢一郎元代表に対して「党員資格停止」処分を決めたという。相手はしたたかな海千山千の人物。一筋縄ではいくまい。(コ)