あれほど「暑い、暑い」と騒いでいたのに、あっという間に師走。「奈良マラソン2010」も終わって、これから寒さが本格的になる。

　12月の暦で特別なのが8日。いわゆる「開戦記念日」だ。いわゆると付けたのは、手元の手帳にも「終戦記念日」(8月15日)はあるが、開戦記念日は書かれていないので。

　あの太平洋戦争での敗戦を経て、日米安全保障条約が結ばれた。昭和天皇が批准書の認証を行ったのは昭和26年11月19日で、場所は県の知事公舎だった。

　昭和16年の開戦から、来年で70年になる。生の戦争の記憶が次々と失われていく中で、私たちはその記憶を受け継いで行かねばならない。12月8日も忘れることなく、である。

　平城遷都1300年祭は間もなく幕を閉じるが、国の成り立ちや歴史、文化を考えるための意義深い1年間を内外に提供してきた。そのことをわが県民は誇っていいと思う。

　中国漁船衝突事件や朝鮮半島での砲撃戦など、顔がこわばりそうな出来事が続いたが、そもそも軽くはないテーマを掲げた1300年祭。それだけに「次」への期待も大きい。(北)