国民のために役立つ政策であれば真摯(しんし)に受け止め合意できればしっかり取り組む―。“ねじれ国会”に臨む菅直人首相の言葉だ。

　もっと早く言ってほしかったが、今からでも遅くはない。9月には民主党代表選があり波乱の政局となる可能性もあるが、民主党員こそ心すべき言葉と思う。なぜなら、あなた方は政権党であるからだ。

　きのう発表の有効求人倍率は幸い、改善の流れにある。しかし、完全失業率の悪化は深刻だ。特に近畿2府4県の平均は全国平均を上回る5.9%。大企業の好業績が相次いでいるが、一向に雇用拡大につながらない。

　先の参院選で民主党は新成長戦略を掲げ環境・医療・介護などマンパワー中心の経済拡大を訴えてきた。ハローワークの求人を見れば注目点であることは確かだ。

　しかし、なのである。求人が多くても求職者が満たない。待遇が改善されない。構造不況下の建設業者などが新規参入しようとしても、認可や補助金をなかなか受けられない“壁”がある。

　与野党が立場を超え、雇用拡大という共通テーマで真剣に渡り合う時が来ている。(水)