奈良市会の松田末作議員の関係する建設会社が宅地造成工事中に電柱を壊した。このため、周辺の民家が午後の半日、停電した。

　8月の猛暑に6時間も電気が止まると、クーラーが効かず暑いどころの騒ぎではない。冷蔵庫の食品も傷んでしまうことだろう。周囲の迷惑は想像に難くない。

　壊された側の関西電力は復旧工事費を請求したが払ってもらえなかった。住民からの苦情で、そのことを本紙が取材していると、松田議員は慌てて請求に応じるという。

　決して少額とはいえない損害賠償を、半年以上も待ち続ける関電も鷹揚なものだが、地元有力者の前には弱い立場なのだろう。

　同議員は7期目のベテラン。かつては選挙区内の水道設置で寄付行為が疑われたこともあるほど、地元貢献と福利厚生には人望がある。それが高じてか資材倉庫が火事に遭ったこともある。

　県内で、そんな話は珍しくも何ともないと言われればそれまでだが、議員であることを笠に着て無理押し、ごり押しがまかり通るようであれば住みにくい。目に余るものを、ひとつひとつ指摘していくしかないのだろう。(コ)