今年は国内で大きなイベントがほとんどない。唯一気を吐いていると言っていいのが、わが県の平城遷都1300年祭。マスコミの報道も集中する。

　このうち、中核事業として展開するのが「東アジア未来会議　奈良2010」。先日は荒井正吾知事が首相公邸に鳩山由紀夫首相を訪ね、意見交換したという。

　鳩山首相は昨年の所信表明演説で東アジア共同体構想を提唱。災害における相互協力や文化面における交流の強化などを強調した。内容の濃い会談だったようで、今後が楽しみ。

　本県では東アジア地方政府会合やアジア太平洋経済協力会議(APEC)の観光大臣会合、東アジア比較文化国際会議なども予定されており、成果が期待される。

　ただ、東アジア地域も順風満帆とは行かない。核兵器や拉致の問題をめぐる北朝鮮の動きから目が離せないのをはじめ、政治における国家間の関係は流動的だ。

　かつてベトナムに“派兵”した韓国が、兵士顕彰をめぐってベトナム側から批判されたことも記憶に新しい。鳩山首相や荒井知事らがどう展望を切り開くか、大いに注目される。(北)