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天平人も賭けゲーム - 道鏡意識?くじ引き木簡

2009年12月15日 奈良新聞

「法王」(左)や「沙弥」(右)と書かれたくじ引き木簡

 奈良市の西大寺旧境内で、寺の職員が賭け事に使ったとみられるくじ引きの木簡(8世紀後半)が見つかった。僧侶の位が書かれており、一番くじとみられる「法王」は、称徳女帝の寵愛(ちょうあい)を受けて全盛期だった僧道鏡を指すとみられる。時代背景うかがわせる資料として注目されている。

 くじ引きの木簡は長さ約4.5センチで3点出土。「法王尓成(ほうおうになる)」「沙弥尓成(しゃみになる)」などと書かれており、「法師尓成」と読める一点には、裏に「此取人(これとるひとは)」と添えられていた。

 沙弥は見習い僧侶で、出世の段階をくじ引きにしたらしい。東野治之・奈良大学教授(日本古代史)は「当時のゲームは物が当たる賭け事で、寺で働く人が使ったのではないか」とみている。

 同市の長屋王邸跡でも「此取人」で始まる木簡が出土しており、こちらは「盗人の妻になる」など女性用とみられている。

 西大寺は称徳女帝が発願して造営。奈良時代に法王の地位を得たのは道鏡だけで、東野教授は「失脚前の全盛期にあたり、法王は道鏡を意識しているとみていいだろう。時代を反映した資料」と評価する。

 調査した市埋蔵文化財調査センターの森下恵介所長も「道鏡の出世をうらやましがって作った可能性がある」と話している。

 道鏡は称徳女帝の寵愛を受けて政界に進出。太政大臣禅師から法王に上り詰めたが、女帝の他界とともに失脚した。

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