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方墳にミニ炊飯具 - 明日香の阿部山遺跡群

2009年11月18日 奈良新聞

6世紀中ごろから後半の方墳から出土したかまどとなべのミニチュア炊飯具=17日、明日香村川原の村中央公民館

中世の木棺墓から完形で出土した龍泉窯系青磁椀=17日、明日香村川原の村中央公民館

 明日香村阿部山の阿部山遺跡群で、かまどのミニチュア土器が納められた6世紀中ごろ~後半の方墳2基や中世の木棺墓群が見つかり、17日、村教育委員会が発表した。21日午後1時から、同村川原の村中央公民館で発掘調査報告会がある。

 キトラ古墳南方の丘陵地帯で、遺跡の範囲確認のため、昨年5月から今年8月にかけて、約500平方メートルを調査した。

 高取町との境界になるカイワラ地区では、丘陵の頂に方墳2基が南北に並んでいた。いずれも1辺10~11メートルで横穴式石室を持つ。築造は6世紀中ごろ~後半。盗掘されていたが、かまど(高さ16.5センチ)となべがセットになる炊飯具のミニチュア土器や鉄製馬具、銀の腕飾りなどが出土した。

 ミニチュア炊飯具の副葬は渡来系の特徴とされ、村教委の西光慎治技師は、檜隈(ひのくま)地域を中心に貝吹山南麓や細川谷の古墳群と比較。「より早い段階から渡来系氏族の墓が点在していた」と指摘した。

 また、カイワラ地区の北東の丘陵では、12~13世紀の木棺墓3基を確認。うち1基を発掘した。一辺4メートルの方形状で中央に置かれた木棺の中に、龍泉窯系青磁椀1個などが副葬されていた。当時は子島寺(高取町観覚寺)の寺領で、隆盛を誇った同寺に関連する人物の墓の可能性もある。

 龍泉窯系青磁椀は、12~16世紀に中国から日本に大量に持ち込まれた貿易陶磁器。県内でも平城京など約60の出土例があるが完形は珍しいという。

 21日の発掘調査報告会では、大壁遺構などが見つかった檜前遺跡群の報告も行われる。無料。問い合わせは村教委文化財課、電話0744(54)5600。

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