特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

「秋冷や遅れがちなる腕時計」(塚原哲)。…

 「秋冷や遅れがちなる腕時計」(塚原哲)。10月もおしまい。秋が深まっていくのに目の前の動きは鈍い。新政権にもそんな印象が漂い始めた。

 中央は変わっても、日々現実と向き合う地方の政治・経済は、さらに停滞感が強い。本紙が報道している高取町の公有地売却問題は、とりわけ根が深い闇だ。

 町長や公社の理事という公人が、不明朗な土地売買に手を染め、登記上問題のある開発公社のずさんな運営が明らかになったが、これを説明するどころか逃げ隠れに終始している。

 いずれ真相が明らかになり、司法の手で解明されるのだろうが、植村家忠町長の姿勢に対し、議会はじめ町民みずから追及に立ち上がることを期待したい。

 21世紀の時代に、まるで江戸時代の悪代官がはびこるような趣である。町有財産を思うがままに操り、行政を私物化するような手合いが町のトップにいること自体が驚きだ。

 前町長の逮捕、辞任という異常事態の後、出直し選挙で選ばれた植村町長は「情報公開の徹底」「町長の独断防止」「行政腐敗根絶」を公約していた。「秋深し隣も何をする人ぞ」か。(コ)

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