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赤い石室 水銀朱200キロ - 隠れる部分も彩色【桜井・茶臼山古墳】

2009年10月23日 奈良新聞

推定200キロもの水銀朱が用いられていた竪穴式石室=22日、桜井市外山の桜井茶臼山古墳(代表撮影)

 古墳時代前期(3世紀末~4世紀初め)に造られた大王墓級の大型前方後円墳・桜井茶臼山古墳(桜井市外山、全長200メートル)の発掘調査で、県立橿原考古学研究所は22日、明らかになった竪穴式石室の全容を発表した。赤く彩られた石室の壁体や天井石には少なくとも約200キロの水銀朱を使用。石材の見えない部分にまで朱が施され、大王の墓にふさわしい丁寧な造りだったことが分かった。

 昭和24年以来60年ぶりの石室調査。8月に始まり、今月4日には長さ4.89メートルの遺存木棺の運び出し、基底部の構造も判明した

 石室は南北6.75メートル、北端幅1.27メートル、高さ1.71メートル。開口部をすぼめず、壁になる割石を垂直に積み上げているのが特徴。12枚もの巨大な天井石を調達し、運ばせることができた権力者の埋葬をうかがわせる。

 墓壙(ぼこう)底の中央に基台を設け、上面は板石を敷き詰めていた。棺を支える土の層は厚み最大18センチで、通常は粘土が使われることが多いが、赤っぽい特製の土だった。

 石室一面の赤色は化学的分析で硫化水銀と判明。表面積に厚みと比重をかけて算出した推定重量は、多量の水銀朱の出土で知られる大和天神山古墳(天理市)の42キロの約5倍。壁体となる石の一つ一つの全面に朱が塗られるなど極めて丁寧な造りだった。石室以外にはベンガラ(酸化鉄顔料)も使われていた。

 朱の意味について、橿考研の菅谷文則所長は「再生への願いと死者への怖れをもって鎮魂する両方があったのだろう」と話している。

 現地見学会は29~31日の3日間、午前10時~午後3時。JR・近鉄桜井駅から徒歩15分。駐車場はない。雨天中止。問い合わせは橿考研、電話0744(24)1101。

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