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国原譜

きょうから6月。昔は夏の衣替えがあって…

 きょうから6月。昔は夏の衣替えがあって季節感の目安だった。最近は県の「まほろばエコスタイル」も5月からで、時代の変化を意識する。

 6月と時代を結びつけると、昭和35年の6月が中心だった「60年安保闘争」を思い浮かべる高齢者も多いだろう。現在の日米安保条約が成立した年である。

 在日米軍絡みの事件が絶えない中で論議が繰り返される「日米地位協定」も、安保条約に基づいて同じ年に発効した。この条約と協定、そして憲法を抜きに「戦後」は語れない。

 自らを含む最近のさまざまな言説で使われる「戦後70年」という言葉。この言い方そのものが、終わっていない「戦後」を象徴する。沖縄の米軍基地はその証拠の最たるものだ。

 わが国の「戦後」の最中にも世界各地で続く戦争や内戦、国際テロなどの展望は、まだどこにも見い出せないように思う。理解するのも難しいと思う。

 私たちは自国の歴史を踏まえて自力で平和への展望を開くしかない。あの敗戦からの道程を丁寧にたどり直し、世代を超えて論議を深めていこう。今夏の参院選は、その大切な論議の場だ。(北)

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