関西文化学術研究都市に、県内では「平城宮跡」「平城・相楽(県域分)」「高山」の三つが整備対象地区になっていたと記憶する。

　平城宮跡が関西学研都市の整備地区だなんて、今ではほとんど忘れられているのではないか。わが国の将来を占う国家的プロジェクトだが、現在はぱっとしない。

　そんな中で、生駒市にある高山地区の第2工区にようやく光が当たった。市が、開発が凍結されていた都市再生機構(UR)の所有地を買い上げることにしたのだ。

　URが売却を決めたため、乱開発だけは避けなくてはならない。いわば苦肉の策か。それでもいいと思う。あらためて市と県がテーブルに着いて、じっくり計画を練ればいい。

　高山第1工区にあるのは、ノーベル賞の山中伸弥さんもいたことがある奈良先端科学技術大学院大学と企業の研究施設などだ。「アインシュタインの顔」も見られる。

　この大学が平成3年秋に開学した時に取材した一人として、ずっと気にかかってきた。第2工区が整備されれば、第1工区の力も増幅されるはず。第2工区の整備プランの夢を広げたい。(北)