特集奈良の鹿ニュース

国原譜

昨日の午前中、佐保川の桜並木の中に、つ…

 昨日の午前中、佐保川の桜並木の中に、つぼみから開きかけているサクラの花一輪を見た。季節の変わり目を少しだけ垣間見た気がした。

 その前日、上方落語の今日の隆盛を築いて19日に亡くなった人間国宝の落語家、桂米朝さんの合同葬が大阪で営まれた。約1500人が参列、偉大な師匠への感謝の言葉があふれた。

 親交の深かった俳優、近藤正臣さんの「色とりどりのお弟子さんを残してくれて、楽しみが続く。いろいろとおおきに」の弔辞が胸にしみる。

 米朝さんは、いろんな噺を掘り起こし、多くの書籍やCDなどに記録したことで知られる。また、テレビ番組の司会、ラジオ出演など革新的な活動を展開して、後に続く者たちの活動の場を広げた。

 奈良との関わりでいえば、古典落語で米朝さんの十八番の一つ「鹿政談」だろうか。江戸時代の豆腐屋と奈良奉行のお裁きの話である。

 そして思い出すのは奈良を代表する映画館・芝居小屋の一つ、尾花座跡(ホテルサンルート奈良)の石碑。昭和55年の閉館の際に米朝さんが揮毫したもので「われらが尾花座ここにありき」とある。合掌。(恵)

 

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