10日ほど前の京都新聞に少しショッキングな記事があった。京都府内で最も人口が少ない笠置町で、昨年1年間の出生届が1件もなかったというものだった。

　人口1529人(1月1日現在)の同町の出生数は、2005年の11人を最後に1ケタ台になり、近年は5人前後で推移。進学や就職を機に町を出る若者が多い、というのが最大の要因のようだ。

　「中学卒業まで医療費無料」など子育て支援策も打ち出しているが、雇用や医療・福祉といった弱点を克服できていない現状がある。これは他の自治体でも、十分に起こり得る事態であろう。

　そんな折、政府は24日、全国9カ所を回り地域活性化について討論する「地方創生フォーラム」の初会合を京都市内で開いた。

　石破茂担当相は「かつてのように公共事業で地方を支えるのは難しい。企業誘致も従来のようにいかない」と指摘、国の支援を受けて地元が主体的に創意工夫するよう求めた。

　滋賀の代表は「試行錯誤しながら一緒に未来をつくっていかなければいけない」と語った。そう、自治体任せでなく、みんなが知恵を出さねば…。(恵)