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国原譜

以前は自分の手でやっていたことが、さま…

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 以前は自分の手でやっていたことが、さまざまな理由でできなくなってしまうものがある。最近も県内の二つの販売店で、専門家に任せた方がいいと言われた。

 

 トイレ、自転車関連の部品の交換や調整など、メンテナンスについてのことだった。構造がより複雑、高度になっているかららしい。

 

 思い起こすと、半ばブラックボックス化しているもの以外にも、人任せにし、早々に買い替えを選ぶ場面が増えている。それは、本来備わる能力を失うことにつながる危うさもはらむ。

 

 もちろん、代わりに得られた時間を有効に使えるなら、あえて他力にゆだねることには意味がある。人間という個体にとって、優位に生存するための進化と捉えられなくもない。

 

 ただ自身に照らすと、できる技能と生きる力を手軽さ優先で手放していく、退化を感じる方が強い。自力を存分に発揮した先人たちは、この様子をどう見ているだろう。

 

 近年、割れた陶磁器を修復する伝統技法「金継ぎ」が若者らに見直されている。とはいえ次々に登場する利器を見るたび、人間の未来の姿が描きづらくもなっている。(智)

 

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