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ОSK日本歌劇団「へぼ侍~西南戦争物語」再演開幕 - 朝ドラ『ブギウギ』出演の翼和希主演

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歌舞伎の要素と歌劇が融合、唯一無二のミュージカル

 

 ОSK日本歌劇団の男役スター・翼和希(つばさ・かずき)主演の「へぼ侍~西南戦争物語」(原作=坂上泉「へぼ侍」、脚本・演出=戸部和久)が18日、扇町ミュージアムキューブ・CUBE01(大阪市北区)で開幕した。昨年8月に近鉄アート館で上演したオリジナルミュージカルの再演。歌舞伎の脚本・演出で活躍する戸部が初めて手がけた歌劇の意欲作が、さらなる進化を遂げて戻ってきた。22日までの大阪公演、2月1~4日の東京公演(銀座博品館劇場)ともに追加公演分も含めてチケットは完売しているが、26日午後11時59分まで、大阪公演のオンライン配信がアーカイブ視聴できる。

 

「へぼ侍~西南戦争物語」より 翼和希

 

 

17歳の心の軌跡、くっきりと

 翼が演じるのは明治維新で没落した大阪士族の若者・志方錬一郎(しかた・れんいちろう)。薬問屋で奉公しつつ志方家の再興を夢見て剣術の稽古に励む錬一郎は周囲から「へぼ侍」と呼ばれていた。明治10年、西南戦争が勃発。「手柄を立てればお家を再興できる」。その一心で官軍に加わった17歳の錬一郎は「殺さなければ殺される」戦場の現実に直面し、自分の生き方、戦い方を問い直し始める…。

 

「へぼ侍~西南戦争物語」より

 

 翼の錬一郎がますます鮮烈だ。「若くて、青くて、柔らかい…17歳の思いすべてを詰め込んで、西南戦争に挑んでいく」。再演に向けた取材会で翼が語っていた通り、さまざまな出会いに導かれ、葛藤し、成長し、しなやかに生き抜く錬一郎の心の軌跡が、初演時にも増してくっきりと伝わり、観客の胸を打つ。

 

翼和希

 

 

それぞれの生きざま、鮮やかに

 西郷軍の側から語られることが多い西南戦争を官軍、しかも末端の部隊の視点で描く「へぼ侍」。錬一郎と共に戦う、個性あふれる官軍の兵士を演じるのは天輝レオ(あまき・れお)、せいら純翔(せいら・じゅんと)、知颯かなで(ちはや・かなで)。

 

天輝レオ

 

せいら純翔(右)と知颯かなで

 

 戦場取材で錬一郎と出会う新聞記者・犬養仙次郎(後の犬養毅)は壱弥ゆう(いちや・ゆう)が演じ、「パアスエイド(説得)こそがへぼ侍の武士道」「刀を使わぬ戦いもある」と新たな道を指し示す。

 

壱弥ゆう

 

 錬一郎と結ばれるお鈴を演じるのは唯城ありす(ゆしろ・ありす)。戦乱に巻き込まれて家族も家もなくし、身を売って生き抜くという過酷な状況にあっても、太陽のように明るく、まっすぐなお鈴は、強く可憐なヒロインだ。

 

唯城ありす

 

翼和希(右)と唯城ありす

 

 

最若手まで、頼もしく

 若手劇団員の大躍進もこの作品の大きな特色。錬一郎ら官軍の兵士たちの上官、堀中尉役の南星杜有(みなほし・とあ)、お鈴を虐げる遊女など凄みのある役どころも演じる柊湖春(ひいらぎ・こはる)はともに2021年初舞台。2022年初舞台の凰寿旭(おうじゅ・あさひ)、鼓珀響(こはく・ひびき)に加え、昨年夏の「へぼ侍」初演が初舞台だった奏叶はる(かなと・はる)、ことせ祈鞠(ことせ・いまり)にいたるまで、全員が「顔の見える」重要な役どころを担っている。

 

「へぼ侍~西南戦争物語」より

 

「へぼ侍~西南戦争物語」より

 

 

進化する和製ミュージカル

 セリフと歌の境目をなくす、セリフも音として聞かせる、振り付けのすべてがセリフと同等またはそれ以上の意味を持つ…。表面的な『和』に留まらず、表現の根本で歌舞伎と歌劇を融合させた独自の和製ミュージカルを目指す戸部のねらいが、初演時より、さらに明確に表現された再演。フィナーレにショーがプラスされたり、劇中に新たな楽曲が盛り込まれるなどの変化に加え、セリフの改訂や細部の演出変更など、随所がバージョンアップしている。

 

「へぼ侍~西南戦争物語」よりフィナーレのショー

 

フィナーレのショー 翼(中央)、天輝(右)、壱弥(左)

 

 初演、再演と深めてきた新たな挑戦について戸部は「誕生から100年以上にわたって積み重ねられてきた歌劇の表現は、歌舞伎と同じく、日本人が求める日本独自の文化。100年続いた歌劇が、さらに100年先、1000年先まで残る文化となるように、ここでもう一度振り出しに戻し、新しく組み立ててみることに意味がある、との思いを込めた」と語っている。

 

取材会で語る戸部和久(右端)

 

 

届けたい、今を生きる力

 翼は昨年、NHK朝ドラ「ブギウギ」に橘アオイ役で出演。ドラマがきっかけでОSKに関心を持つ人が増え、この「へぼ侍」再演がОSK初観劇という観客も多いという。開幕直前、公開ゲネプロを終えた翼は「今、この作品を見ていただくことで、みなさんに今を生きる力、生命力を感じていただけたなら、私たちも胸がいっぱいです!! 東京の千穐楽まで突き詰め、より一層、磨き上げた作品をお届けしたい。そして、新たにОSKに興味を持ってくださった方を『つかんで、はなさない!』という気持ちで挑んでいます」と意気込みを語った。

 

公開ゲネプロを終え、錬一郎の扮装で取材に応じる翼

 

 

 

【メモ】

「へぼ侍~西南戦争物語」19日14時公演、18時公演がオンライン配信される。いずれの公演も生ライブ配信に加え、1月26日午後23時59分までアーカイブ配信する。

視聴チケット各3000円(手数料別)の購入で何度でも視聴可。

申し込みは、https://osk-revue.zaiko.io/

問い合わせはОSK日本歌劇団、電話06(6251)3091。

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