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逢香の華やぐ大和 菅原天満宮(奈良市)

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菅原天満宮(奈良市)を訪ねて

菅原道真生誕の地で観梅

 書家の逢香さんが県内の社寺を訪ね、四季折々の魅力を発見する「逢香の華やぐ大和」。今回は梅の花が香る菅原天満宮を訪れました。(高橋智子)

 

菅原天満宮の盆梅展にやって来た逢香さん。花の咲き方や色、枝ぶりもさまざま=いずれも6日、奈良市菅原東

 

 

盆梅130種が集結

梅の家紋が境内のいたる所に

 

 立春を過ぎた2月初旬、逢香さんは菅原天満宮(奈良市)の「盆梅展」を訪れた。境内のいたる所に菅原家のウメの家紋があり、期待で胸が膨らんだ。


 会場では盆梅が、白やピンク、紅(あか)い花を一重や八重で咲かせていた。高さはおよそ20㌢から2㍍。枝ぶりや幹の立ち姿もさまざまで「きれい! 見応えがありますね」と逢香さん。下向きに咲くウメの花を下から見上げ、「華やぐわ~…」。展示室の甘い香りに包まれ、一足早く春を感じた。

 

 同社では早咲きから遅咲きまで楽しめるよう、約130種200鉢を順次入れ替えて展示。ウメの花の蜜を吸いにメジロも訪れるという。


 下向きに咲く盆梅の花を見上げて鑑賞。「華やぐわ~」

 

 

おすすめの梅の品種は?

 樹齢50~70年の盆梅が中心。樹にシダが寄生して地面は苔(こけ)むし、小さくても古木のようなたたずまいだ。幹が縦に裂けて芯がむき出しになっても、芯がなくなり樹皮だけになっても花を咲かせている。中村真一宮司(56)にお薦めの品種を教わった。


雲竜梅(うんりゅうばい) 八重咲きの白梅。くねくねと折れ曲がる枝が特徴。
思いのまま 白や紅色、紅白混じりを1本で咲き分ける。毎年同じ所に同じ色が出るとは限らない。
菅原八宝梅 白、ピンク、紅色、八重や一重のウメ8種が咲く。開花時期がそろうよう接ぎ木した。

 

手前が雲竜梅。枝がくねくねと折れ曲がっている

 

 訪れた日は早咲きの花を楽しんだが、多くのウメはまだつぼみの状態。希少な黄金梅もあり、逢香さんは「これは(開花を見に)来ないと!」と目を輝かせた。

 

 

日本最古の天満宮

 天満宮とは、平安時代に学者・政治家・詩人として活躍した菅原道真を祭る神社。道真は無実の罪で左遷され、没後、京都は災いに見舞われた。道真の怨霊の仕業と考えられ、霊を鎮めようと太宰府天満宮を建てた。現在天満宮は全国に分布し、学業の神様として信仰されている。


 菅原天満宮は日本最古の天満宮という。菅原家の氏神「菅原神社」として道真の生前からあり、この地で道真は生まれたと伝わる。「他の天満宮と成り立ちが違うんです」と中村宮司は説明した。

 

 

古筆を供養する筆塚

 書の達人だった菅原道真にちなみ、境内には使い古した古筆を供養する筆塚がある。毎年春分の日に「奈良筆まつり」で古筆を焚(た)き上げ、獣の霊を供養する神事が営まれる。参拝者は書の上達を願い、逢香さんも学生時代から祭りの出店で筆や墨を購入していたという。

 

 

道真ゆかりの産湯池

 「神社の周辺にも道真にまつわるものがある」と、宮司の妻、中村奈緒・権禰宜(41)が案内。神社から東へ約100㍍歩いた住宅地の一角に、ポツンと日本庭園の池が現れた。菅原道真が生まれた「菅原院」の遺跡とされ、この池の水を産湯に使ったと伝わる。


住宅地にある産湯池跡


 同社の境内には、就職や受験合格を願う絵馬の数々。逢香さんは高校2年で大学の書道科を志し、部活を辞めて受験に専念した。「受験で頑張ったからこそ(書道家としての)今がある。頑張りは後々生きる」と改めて実感した。

 

 ※2月6日に取材。気候や時期により草花の状態が変化することがある。

 

大和茶の甘さに感激 日緑製茶

日緑製茶に寄り道

 

 菅原天満宮から東に歩いてすぐの所に、モダンな外観のお茶屋「日緑製茶」を発見。


 菅原町で100年近くお茶を作る製茶問屋。生産者が育て一次加工した「荒茶」に火入れし、お茶本来の香りを引き出して葉、茎、粉に選別。ブレンドして仕上げていく。


 こぢんまりとしたギャラリーのような空間では、大和高原で育った「大和茶」や茶器を販売。逢香さんは日本茶の品種「やぶきた」のお茶を試飲し、「甘みがすごい!」と驚きの表情。急須や湯飲みのイラストが入ったラベルもかわいく、お土産に購入した。


 「煎茶は沸騰したお湯を70~80度に冷まし、急須の縁から注いで蒸らすと甘みが出ます。玄米茶やほうじ茶は熱湯を注ぎ、香ばしい香りを楽しみます」と梅田栄一代表(52)。

 

 人気商品は、ほうじ茶150㌘388円▽やぶきた茶100㌘648円▽極上煎茶100㌘1036円(全て税込み)。

 

梅田代表(左)と妻洋子さん

 

逢香の目

金地に生える梅の花を描いた

 

 菅原天満宮で100点以上の品種があるという盆梅を鑑賞した逢香さん。


 赤、白、ピンク色に咲く梅の花を金ぱく貼りの和紙に描き、「百点満天」と揮毫(きごう)。「満点」を「満天」に変え、菅原天満宮と掛けた。

 

 春の合格を目指す受験生に向け、「100点満点を目指して頑張ってください!」と作品でエールを送った。

 

メモ

◆菅原天満宮

 奈良市菅原東1丁目15の1。近鉄大和西大寺駅から徒歩20分、近鉄尼ケ辻駅から徒歩15分。近鉄学園前駅南口または近鉄あやめ池駅から学園前駅(南)行きバス「阪奈菅原」「菅原天満宮」下車。社務所の受け付けは午前9時~午後4時。盆梅展は3月5日まで。観梅料500円、中学生以下無料。筆まつりは3月21日午前10時から。電話0742(45)3576。

 

◆日緑製茶

 奈良市菅原東1丁目13の5。近鉄大和西大寺駅から徒歩16分、近鉄尼ケ辻駅から徒歩10分。営業時間は午前10時~午後4時。土日祝日は定休。ほかに不定休あり。電話0742(45)4782。

 

◆書家/逢香(おうか)

 奈良市観光大使。奈良教育大学伝統文化教育専攻書道教育専修卒業。6歳から書道を学ぶ。2020年、橿原神宮御鎮座130年記念大祭の題字を揮毫(きごう)。同年、元興寺(奈良市、世界遺産)の絵馬の書・画・印デザインを手掛けるなど活躍中。大学の授業をきっかけに個性豊かな妖怪たちに興味を持ち「妖怪書家」としても活動。

 

 「逢香の華やぐ大和」は奈良新聞社とNHK奈良放送局のコラボ企画で毎月1回掲載。NHK「ならナビ」(午後6時30分~)内で2月13日に放送。 

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