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スケーター(奈良市)伝統工芸品「鴻月」ブランドを展開

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伝統の技を継承 豊かな暮らしの工芸品開発

スケーター 鴻池良一・代表取締役会長に聞く

スケーター 鴻池良一・代表取締役会長

 

 スケーターは家庭日用品、ファンシー雑貨の企画および販売を行っている。キャラクター商品を中心にさまざまなブランドの製品を事業展開しているが、このたび日本の伝統産業の継承をコンセプトとした「鴻月(こうげつ)」ブランドを開発し、13日からインターネット販売を開始した。

 

 「鴻月」は我が国の伝統産業である工芸品の価値観を見直し、今の生活にぴったりフィットした機能性の高い製品で、現在はキッチン・ダイニング用品、食器、インテリア・雑貨小物、タオル・ハンカチ、筆ペンなど48の工芸品を展開している。食器やインテリア小物は、赤膚焼、信楽焼、京焼、清水焼など、日本の伝統工芸の技法を採用している。伝統を後世に伝えるとともに利便性も追求する「鴻月」ブランドとスケーターのブランド戦略について、同社の鴻池良一代表取締役会長にお話をうかがった。

 

日本の工芸品 価値観を伝える

 ―このたび「鴻月」を開発・販売されることになりました。日本の伝統工芸品をオリジナルブランド化されたわけですが、そのきっかけは。


 鴻池 「鴻月」を商品展開することになった最初のきっかけは、経済産業省から日本の伝統産業の普及について相談を受けたことです。海外製品の台頭、国内市場の縮小、後継者問題など、日本の伝統産業は切迫した状況です。日本の古き良きものを日本に、そして世界に広めたいという思いから「鴻月」を立ち上げる決意をしました。私たちは伝統や文化を後世に残していきたい一方で、生活が便利になることを望んでいます。ですから、たとえ伝統や歴史のある工芸品だとしても、生活が不便になるのであれば、おのずと遠のいていきます。

 

5月13日に販売を開始した「鴻月」ブランドの食器

 

 我が国の工芸品の価値観を見直してみようというのが「鴻月」のコンセプトです。もちろん「鴻月」の開発には、何でもチャレンジしようという私の思いもあり、日本の感性や文化を世界に向けて販売したいという気持ちがあります。また弊社も現在のところ国内向けの売り上げが90%を占めていますが、人口減少で国内市場が縮小していくことを考えますと、ヨーロッパからアメリカ、そして中国へと販路を拡大していきたいという戦略もあります。

 

衣食住アイテムをラインナップ

 ―具体的にはどのような商品のアイテムがありますか。


 鴻池 衣食住を「鴻月」で賄っていけるようにというコンセプトでラインナップをそろえています。商品は大きく分けて陶器、タオル、麻織物、まな板・ナイフ・フライパンなどのキッチン用品、ちりめんシュシュ・手鏡などの雑貨小物、筆ペン、茶筅(ちゃせん)など生活に密着した日用品です。

 

赤膚焼の湯のみ コーヒーをいれてもおしゃれに


 このうち陶器は赤膚焼をはじめ清水焼、信楽焼の3種類で、赤膚焼は奈良の名産品・奈良絵、清水焼は繊細な絵柄の花柄やフクロウの柄、信楽焼は土の風合いを感じさせるものやフクロウの置物などの製品があります。タオルは今治タオルで日本の花柄をモチーフにしています。麻製品はかや織ふきんで、これは奈良の名産品であり、丈夫で長持ち、乾燥が早い、吸水性が高いという特徴があり、色も日本特有です。麻製品はコーヒーフィルターやコースターなどもあります。

 

生活に密着 機能的で美しい伝統工芸品

 

SDGsで社会貢献

 ―「鴻月」はSDGs(持続可能な開発目標)と関連があるとうかがっています。


 鴻池 企業は単に利潤の追求だけではなく社会への貢献という使命を併せ持っていますから、SDGsの理念や目標と一致するところが多く、弊社としては「12 つくる責任・つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」「14 海の豊かさを守ろう」の三つの項目を意識して事業に取り組んでいます。


 具体的には「12 つくる責任・つかう責任」については良いものを長く使っていただく、「13 気候変動に具体的な対策を」と「14 海の豊かさを守ろう」については、海洋プラスチック問題を受けて陶器などの自然素材の商品開発に取り組むとともにリユースに関しても心掛けています。


 「鴻月」では機能的で美しい伝統ある「古き良きモノ」を未来へ受け継ぎ持続可能な社会に向けた新たな扉を開いていくことを目指していきます。

 

スケーターは「鴻月」以外にもSDGs関連商品の企画・販売を強化している

 

伝統産業を守り普及への力に

 ―「鴻月」は日本の伝統産業の継承をテーマにしていますが、その未来への思いを。

 

 鴻池 日本の伝統産業は厳しい状況にあります。海外から安価な製品が輸入されるようになり、また国内市場そのものが縮小しています。伝統産業の担い手となる後継者がなかなかいないということも課題です。このままでは日本の伝統産業は衰退の一途をたどっていくことになるでしょう。

 

花柄が美しい ちりめん生地ハンカチ

 

 しかし伝統産業の製品は、私たち日本人が長年の歴史の中で培ってきた価値観であり生活様式の一部です。このような現状を見て、日本の伝統産業・伝統工芸品を守り、日本と世界に普及させていくための力になりたいと思うようになりました。とりわけ古都・奈良は墨や一刀彫などの伝統工芸のメッカです。これをもっと繁栄させたいと思います。併せて新しいことにチャレンジしたいと考えています。

 

奈良の名産品・かや織を使ったふきん

 

ブランド強化し奈良発展に貢献

 ―今後はスケーターブランドを強化していきたいとうかがっています。


 鴻池 弊社は平成2年に本社を大阪から奈良に移転しました。製品の販路は奈良に限らず全国展開していますが、奈良の企業としてのスケーターブランドを強化していく必要があると考えるようになりました。


 そのために、いろいろな素材にチャレンジして商品を開発し、またカテゴリーをもっと増やしていけるよう企画展開を行うことによって、奈良の文化を広め、奈良の発展に貢献していきたいと考えています。このことを通じて、日本の良さ、日本ブランドを知っていただきたいと思います。それがスケーターブランドの強化と発信につながっていくことと考えています。

 

 これらを認知してもらうための広報展開として、近鉄大和西大寺駅のデジタルサイネージや看板広告を掲出しています。また7月からは近鉄奈良駅の看板広告、近鉄電車の中吊(つ)り広告、奈良交通バス4台のラッピング広告などを行うとともに「鴻月」ブランドを構築するために楽天に「鴻月の里」をグランドオープンしました。このほか百貨店での集積コーナーの設置、SNSでの発信など、さまざまなツールを通じてスケーターブランドを発信し知名度を高めていきたいと考えています。

 

奈良市杏(からもも)町のスケーター本社ショールームには随時約5千点以上の商品が並ぶ

本社:スケーター株式会社
〒630-8520 奈良県奈良市杏町(からももちょう)216-1
TEL.(0742)63-2001(代) FAX.(0742)63-2021

https://www.skater.co.jp/

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