日本一距離の長~い路線バスで「わらしべ長者」に挑戦してみた
デジタル編集部の中島です。
突然ですが皆様はイライラする時はありますか?
思い通りにいかない時、通勤や通学時間、決まらないスケジュール、締め切り・・・
効率的に生きるため、時間に支配されがちな現代。
自分もエレベーターがなかなか来なくて、叫びながら階段をかけのぼったり、スマホのネット接続が悪くて、ヘッドバンギングしたり。
つい先日も知人とLINEをしていたら
『短気は損気』です。心に余裕がないと冗談もできませんよね。
この気の短さを何とかしたい!
そんな訳で気の長~~~~~~くなれそうなものを、教えてもらいました。(Google先生に)
「奈良」「長い」で質問。
ほうほう、奈良に日本一長い吊り橋があるとな・・・
ふむふむ、奈良の長谷(はせ)寺には国内最大級の掛け軸があると・・・
へぇー、日本一長い路線バスもあるの・・・
バス旅かぁ・・・いいなぁ・・・
自然がいっぱいで癒されそうだなぁ。
非日常はストレスから解放されるって言うしなぁ!
非日常の空間を走る 日本一距離の長い路線バス
そんな訳で、非日常を体験しに奈良県の大和八木駅まで来ました。
日本一距離の長い路線バス「八木新宮特急バス」に乗り、短気を長~~~~~~くしてみたいと思います。
八木新宮特急バスとは・・・
高速道路は使わない、日本一距離の長い路線バス。地域に密着し、人々の日々の生活を便利にしてくれる、ありがたい路線バスの一つです。
全長166.9km、停留所の数は166カ所、出発駅の大和八木駅(奈良県)から終着駅の新宮駅(和歌山県)まで、なんと片道約6時間30分!
そして、大和八木駅が八木新宮特急バスの発着場にもなっています。
(地図はこちら Google マップ 大和八木駅)
観光向けバスとは違い、地元の人も頻繁に乗り降りする点もローカル全開。
バスは安全運転第一でスロー、車窓は奈良と和歌山の移り変わる風景を楽しみながら、ブロロロンと動くエンジン音と心地よい振動に、時間も気にせず何もしないでボーっと過ごす贅沢な時間・・・。
これぞ大人のバス旅やで!
いざ!八木新宮特急バスへ
カチリと駅の時計が9時10分を過ぎたころ、やってきました。
バス独特のぶしゅんという音で止まり、ガッションと扉が開きます。
こちらが「八木新宮特急バス」!
奈良で必ず見かける通常の奈良交通バスよりカラフルです!
さすが人気のバス、列ができていますね。
休日だったので、家族連れが多いように感じます。
ちなみにチケットは買わなくても乗車できますが、「168バスハイク乗車券」の購入がおすすめ。
お得で途中下車も可能で、2日間有効です。
観光地巡りや宿泊の時に便利ですよ!
「168バスハイク乗車券」はバス内では購入できないので、八木新宮線バスのりば前の「かしはらナビプラザ観光センター」や、お近くの奈良交通チケット販売窓口で事前購入しときましょう。
さっそく乗車します!
こちらが終点までバスを運転してくれる
奈良交通乗務員の杉本雄一さんです。
よろしくお願いします!
八木新宮特急バス旅におすすめの品々
バス内は通常の路線バスと同じ作りに見えますが・・・
実は座席の背もたれは高めで、コンパクトに見えてゆったり座ることができるらしいです。
席を確保し、出発を待ちます。
・・・
出発まだかなぁ・・・イライラ
(すでに短気が・・・)
こんな時は気を紛らわせて乗り切ります。出発時間まで荷物の確認をしましょう。
まずは約6時間30分という長時間を座ることになるので
①クッションがあればより快適。(空気を入れて膨らませるトラベルクッションがオススメ)
万が一のために、
②エチケット袋と③携帯トイレも準備。
そして、旅の相棒に
④「奈良交通オリジナル とことこぬいぐるみ」
ちょっと手持ちぶさたになった時に、動かしてみてください。
パワフルに動くその姿は、あなたに元気を与えてくれると思います。
気になる購入情報はコチラ↓
トイレには注意です
ちなみに、通常の路線バスですからバス内にトイレは常備されていません。
もし終点まで乗車する場合は、トイレチャンスは3回の休憩のみ。
休憩地点と時間(目安)
始点 大和八木駅
↓ 約65分
五條バスセンターで休憩約10分
↓ 約100分
上野地(谷瀬吊橋)で休憩約20分
↓ 約70分
十津川温泉で休憩約10分
↓ 約130分
終点 新宮駅
(交通状況等によって多少の誤差があります)
※便により休憩時間が異なりますので、詳細はご乗車時に乗務員へご確認ください
日本一距離の長い路線バスで「わらしべ長者」に挑戦
せっかく日本一長い路線バスで「非日常」を味わえるので
バス内で「わらしべ長者」に挑戦しようと思います。
「わらしべ長者」とは、わらからスタートして大金持ちになる成功譚で、ご存知の方も多いはず。
「なんでわらしべ長者やねん」と思った方、
驚くことなかれ。
実は奈良県は「わらしべ長者」の舞台と言われています。
※「わらしべ長者」の原話は、平安時代の「今昔物語」や鎌倉時代初期の「宇治拾遺物語」に書かれており、奈良県桜井市の長谷(はせ)寺が舞台らしいですよ。
今回は億万長者をめざすわけではなく、わらしべ長者で人の温かさに触れたいと思います。
バスの中で突然、見ず知らずの他人に物々交換を迫られても、快く引き受けてくれる人・・・
器が大きく、気も長い良い人だと思います。
短気な自分にとって、学ぶべきことが多いはず!
頃合いを見て挑戦したいと思います!
9時15分 大和八木駅を出発
いよいよバスが動き出しました。
雲ひとつない青空。快晴です。
お出かけ日和のため、バス内は満席に近い状態。
人口密度も高めですが、空調も適度に調整されており快適です。
車窓風景だけでなく、運転者さんも観光情報などをアドリブで話してくれたり、乗客と談笑したりローカル線ならではの温かいやりとりに心が癒されます。
10時23分 1回目休憩地点「五條バスセンター」
休憩地点の五條バスセンターに到着。
約10分程度の休憩です。
(地図はこちら Google マップ 五條バスセンター)
降りてすぐの待合室には観光情報などもあります。
自販機で飲み物、隣のイオンでトイレにも行けますよ。
まだ先は長く、これから山道に入っていくので、軽くストレッチして体をほぐしておきましょう。
あと、バスは揺れます。バスだから仕方がない。
乗り物に弱い人は、酔い止めの薬などを飲んでおきましょう。
わらしべ大挑戦!その①
五條バスセンターを出発したところで、わらしべ1回目に挑戦です。
最初に用意したのはこちら
- 奈良まんまる小鹿カステラ(芳月堂HP)
- 奈良交通オリジナル はんかち (奈良銘品館HP)
- 奈良新聞オリジナルクリアファイル(非売品)
これと交換してくれる人を探します。
ちょうど目の前の席で4人のマダムたちが仲良く談笑されていましたので、話の腰を折って交渉開始!
中島:ああの・・・すすみません・・・
マダムたち:!?
中島:私、「わらしべ長者」に挑戦しておりまして、その、ご協力を・・・
マダムたち:え?なに?取材?いっやだぁ〜笑
恥ずかしがりながらも、快く引き受けてくれました!
- 岡田茜さん(手前左、奈良県生駒市・自称37才!?)とお友達3名の御一行様
ハイキングなどを楽しむサークルのお友達と一緒に、次の休憩地点「上野地」で、谷瀬のつり橋イベントへ参加するためにバスに乗車されました。
今日は上野地で一泊されるそうですよ。
マダム達:え?何する?飴は?非常食だからダメ?
大盛り上がりで荷物をゴソゴソしていただき、
なんと・・・
お昼ご飯用に用意されていた大切なおにぎりと某携帯清涼菓子のライム味を交換していただきました!
みなさま仲の良いお友達で、マダムたちの素敵な笑顔に癒されました。
友情って、素晴らしい。
すげぇ・・・初対面の人に快くしてくれるなんて。
この勢いにのって次のターゲットを探します。
わらしべ大挑戦!その②
前方でバスが停車するたびに席を移動し、窓からの景色を楽しんでいる少年を発見しました。
背後から近寄り、声をかけます
中島:あの・・・ちょっといいですかぁ
少年:・・・
なんだこのおっさん、という純粋な眼差しを向けられ、ちょっと戸惑い。
でも、少年のお母さんが笑顔で助け舟を出してくれました。
少年の名前は河原慶丞くん。キャップをおしゃれにかぶる小学四年生(9才)のクールボーイです。
兵庫県西宮市からご両親と一緒に、終点の新宮駅まで乗車らしいですよ!
お父さんの誕生日祝いも兼ねての家族旅行で、ご両親と一緒に慶丞くんもカメラを片手に景色を楽しんでいました。
中島:このおにぎりとミ◯ティアを、キミの持ち物と交換してくれるかなー?
慶丞くん:・・・
中島:・・・
バスのエンジン音が静かに響いた後、慶丞くんがお菓子袋の中をゴソゴソして
大切なお菓子の中から、じゃ◯りこのサラダ味をそっと差し出してくれました。
中島:あ、あざーっす!
慶丞くん:・・・(ニヤリ)
知らないおじさんに優しくしてくれるクールボーイに癒されました。良い子や・・・
ちなみに休憩時間、バスの前でご家族の記念撮影をされていたので、お邪魔させていただきました。
家族愛って、素晴らしい。
12時7分 2回目休憩地点「上野地」
折り返しちょっと前の上野地に到着。約20分程度の休憩です。
(地図はこちら Google マップ 上野地)
生活用のつり橋としては、日本一の長さを誇る鉄線の谷瀬のつり橋が近くにあり、奈良でも人気の観光スポットです。
ぜひ、谷瀬のつり橋へも行ってみてくださいね。
なんで酔い止めの薬、飲まなかったんや・・・
運転者の杉本さんにインタビュー
休憩時間、運転者の杉本さんに上野地をご案内していただいた時に、インタビューもしました。
杉本さんは53才、お住まいは和歌山県の那智勝浦。
バス運転歴30年近いベテランの運転者さんです。
2000年の11月からです。
その前はマイクロバスを10年ほど運転していましたよ!
八木新宮線では20年近くも運転を!
大ベテランですね!
まだまだ私よりもベテランの先輩がいますので、日々勉強です。
何よりも安全運転。対向車注意、車間距離、スピード・・・、常にお客様に気持ちよく乗車してもらえるように意識して運転しています。
運転者さんの思いやりが快適なバス旅を生むのですね・・・。
ちなみに運転している時のビックリなエピソードってありますか?
そうですね・・・2011年9月の紀伊半島大水害のあと、11月1日 に災害復旧した道を運行したとき「これ曲がれるの?」といった道で。
ちょうどバスがぎりぎり通れるぐらいの幅を、そ~っと運転したときは今でも思い出しますね。
八木新宮線の運転者の方々は、高度なドライブテクニックを持つ精鋭部隊だとか!幅の狭い山道で対向車とすれ違いもありましたよね。
僕だとおしっこちびりそうです。
まだちびりませんが、一回だけね。
油断してトイレをずっと我慢したことはありますね笑
あるんですか笑
でも、お客様を運ぶお仕事なので、バスの点検以外にも、自身のコンディションもしっかり意識しています。お昼の休憩時間は近くのお店に立ち寄り、地元の人たちとおしゃべりを楽しんだり、面白いネタを探したりもしていますよ。
地元の人たちと仲良くなれるっていいなぁ・・・。
ところで杉本さんはイライラする時ってあるのでしょうか?
ええ。出発したいけど動けない時のもどかしさも、しょっちゅう。
でもイライラしたときは、一呼吸、3秒待つのがおすすめ。
とりあえず3秒!ぐっとこらえて!
なぜか3秒待てば・・・落ち着いて世界の見方を変えることができます。
そうか!じゃあ、おしっこもぐっと3秒こらえれば、見方も変わってなんとかなると!
それは・・・
どうにもできないと思います。
温厚でおしゃべりも楽しい杉本さん。
バスに乗車した時は、面白いアナウンスにもぜひ注目してくださいね。
明治23年創業「藤井旅館」でも食べられる十津川の名物
杉本さんにオススメのお食事情報を聞き「藤井旅館」へ到着。
お料理がとても美味しいと評判で、This is民宿の雰囲気が良い感じ。
現在、旅館業は休業中ですが、お弁当などのお食事の販売はされています。
十津川村の名物「めはり寿司」も購入できますよ。
わらしべ大挑戦!その③
店内は、どこか懐かしい雰囲気で、色んな小物が目を引きます。
「いらっしゃいませ」
笑顔で出迎えてくれたのは、藤井旅館を経営している藤井敬子さん。
お昼時の忙しい時間帯ではありますが、藤井さんの笑顔に賭けて、わらしべを交渉します。
中島:あの、今、わらしべ長者に挑戦しておりまして・・・
藤井さん:え?はい、わらしべ、ですか?
杉本さんのご助力もあり快諾。
藤井さんはトコトコと店内のお菓子コーナーに向かい、なんとチッ◯スターうすしお味と交換していただきました。
藤井さんは73才、残念なことに2019年の10月頃にはお食事の販売も休業し引退予定とのことです。
藤井さんの優しい人柄に癒していただきました。
杉本さんも一緒に記念撮影。
おもてなしの心って、素晴らしい。
旅の醍醐味!バス内でお弁当
いよいよ、お楽しみ。癒しのランチタイム!
バス旅といえば、バス内で弁当ですよね。
名物のめはり寿司。
竹の皮に包まれた昔ながらの一品。お米もとっても美味しく、空きっ腹に効きます!
(ちなみに、ぬいぐるみは奈良交通マスコットキャラクターのシーカーくん/既婚オス鹿。
今回の取材に協力してくれる、僕の相棒です。※めはり寿司の付属品ではありません)
見た目以上のボリューム!野菜たっぷりの幕の内弁当。
手作りにこだわった山菜の天ぷらや煮物など、素材の味をいかした見た目も味も美味しいお弁当です。
「藤井旅館」のお弁当は事前に電話予約しましょう。
藤井旅館の情報 ※旅館業は休業中
http://totsukawa.info/joho/kobbetu_page/fukjii_ryokan.html
12時53分 新宮→八木間のバスとすれ違い
お弁当を食べて落ち着いた頃、バス停の滝川口と風屋花園の間でバス内にアナウンスが。
どうやら帰りのバスとすれ違うようです。
道が狭いので、停車しバスを待ちます。
そしてゆっくりとすれ違います。
和歌山方面からの乗客も多そう。
思わず手を振りたくなりますよ!
わらしべ大挑戦!その④
さて、いよいよ後半です。
後方の座席で優しく微笑みながら景色を眺めているご婦人がいらっしゃいました。
思い切って声をかけます。
中島:このチッ◯スターうすしお味と何か交換しませんか?
ご婦人:はい?交換・・・?
若干、引き気味で警戒されちゃいましたが、企画趣旨をご説明する間も、優しく微笑みながらうなずいていただき、快く引き受けていただきました。
白子雪江さん68才。ご夫婦で埼玉から八木新宮特急バスに乗るためだけに来たそうです。
白子さん:何もお渡しできるものがないのですけれど・・・
そう言ってカバンから出てきたのは、メロンパン。
皆さん、バス内でゆっくりお食事を楽しむために、食べ物を色々と持参されているようです。チッ◯スターとメロンパンを交換していただきました。
向かいの席で景色を楽しんでいた白子さんの旦那様にもお話を伺いました。
旦那様:新聞にね、八木新宮特急バスの記事が載ってたから行きたくなって来たんだよ。
ちゃんと新聞の紙面も持参されていました。
名古屋から大和八木まで来て一泊されたらしく、新宮駅に着いたら名古屋へそのまま帰る旅らしいです。
ご夫婦で、のんびりバス旅を楽しまれているご様子に癒されました。
夫婦愛って、素晴らしい。
13時35分 3回目休憩地点「十津川温泉」
最後の休憩地点の「十津川温泉」。約10分の休憩時間で自然が半端ない。マイナスイオンを浴びまくりです。
(地図はこちら Google マップ 十津川温泉)
・・・
・・・
乗り物酔いの薬さえ飲んでいれば、こんなことには・・・!
待合室で休憩しましょう。
八木新宮特急バスの乗客の方々は、十津川温泉で一泊される方も多いらしいです。
自然の中でゆったりとした時間が過ごせそうでした。
有名な「源泉かけ流し温泉」につかって癒されながら、世界遺産などの周辺観光地の旅を楽しんでくださいね。
出典:十津川村観光協会HP
しばらくバスが進んだ後に、168号線の名物、十津川村十二滝も車窓から見えます。
バスのスピードをゆるめてくれたので、ばっちり撮影もできましたよ。
14時28分 奈良から和歌山へ
トンネルをすぎると県境。和歌山県の標識が!
(こちらもアナウンスしてくれました)
いよいよ和歌山県へ突入!
車窓からの風景も少しずつ変化し、ウキウキしてきます!
熊野本宮大社前のバス停にもとまります。
世界遺産に登録されている熊野古道もあり、多くの参拝者が訪れていました。
停留所のある駐車場から大きい鳥居(大斎原)も見えました。
熊野本宮大社のいたるところに3本足の八咫烏(やたがらす)がいますが、奈良と深い関わりがあります。
ぜひ一度調べてみてくださいね!
わらしべ大挑戦!その⑤
和歌山県に入ってしばらくして、一番後ろの座席から視線を感じます。
博士タイプの聡明な雰囲気がただよう男の子が、じ〜・・・とこちらを見ていたので、チャンスと思い声をかけてみました。
中島:キミはこのメロンパンが欲しいのかい?
男の子:・・・(スッ・・・)
静かに視線は窓の外へ。
もうくじけそうです。
隣にいたおばあちゃんの助力で、交渉することができました。
男の子は東隼くん、小学三年生の8才。
隼くんは三重県桑名市からおばあちゃんの家に遊びに来ていて、今日はおばあちゃんと一緒にお出かけらしいですよ。
隼くんが交換してくれたのはりんごジュースですが・・・
キンキンに冷えてやがりますっ!!
出発地から乗車されているとのことで、6時間近くもバスに乗っていて、クーラーボックスを持参しているようには見えないのですが・・・
なんでや・・・?
隼くん:・・・(ニヤリ)
中島:あ、ありがとう・・・(もしや謎のテクノロジーを開発している天才博士的な子なのか!?)
おばあちゃん:鉄道ジャーナルが大好きな子で、電車にすごく詳しいんですよ。
鉄道博士だったようで胸をなでおろします。
ちなみに、隼くんは自分で八木新宮線を調べて、チケットも自分で探したそうです。
大人顔負けの行動力。
おばあちゃんを大切にする良いお孫さんでした。
孫の愛って、素晴らしい。
和歌山県の道を進み、いよいよ終点へ
車窓からは川を掘ると温泉が湧き出ることで有名な「川湯温泉」でのキャンプや露天風呂を楽しむ人たちも眺めることができました。すっごい楽しそう!
途中、本当に狭い道で対向にバスがきましたが、杉本さんのドライブテクニックと譲りあいの精神でクリア。
所々で、杉本さんのアドリブのアナウンスも流れ、バス内で笑い声が響きます。
6時間30分の長い旅も、いよいよ終わりが近づいてきました。
16時10分 終点、「新宮駅前」に到着。
市街地で観光情報などをアナウンスしてくれた杉本さんが終点到着を告げ、終点の新宮駅前でバスが停車しました。
(地図はこちら Google マップ 新宮駅)
和歌山に入ってから乗車する地元の人も多いように感じました。意外にも出発地の大和八木駅から終点まで乗車している方も10人近くいてビックリです。
皆さん満足した表情でバスを降りて行きます。
日本一長い路線バスは、とても気が長くなれる旅でした。
なぜ自分はあんなにもイライラしていたのか。
そしてムカムカしていたのか。
今はすっきり、清々しい気分です。
豊かな自然、人情味あふれる人々。
あと、用意していて良かったエチケット袋・・・
あふれるのは感謝の心・・・
正座してお礼を言います。
「八木新宮特急バス、ありがとうございました!」
※特別な許可をいただき撮影しています。シートで正座をしてはいけません。
最後のわらしべ
わらしべのトリを飾るのは、運転者の杉本さんです。
杉本さん。長時間にわたり、快適、安全に運転をしていただきありがとうございました。
なんか交換してください!
え?え〜と、何が良いやろか・・・
携帯サイズのLEDハンドライトと、運転席にあった八木新宮線限定のストラップと交換してくれました。
長い時間、乗車してくれたお客様がどれだけ楽しんでくれたのか、私にはわかりません。
でも、退屈しないでいてくれたらなぁと思って、いろいろしゃべってしまいました笑
約6時間30分もバスに乗っていると退屈だろうなぁ、と思っていましたが、びっくりするぐらい時間が流れるのが早く感じました。本当に楽しかったです!
お客様から口頭でほめてもらえた時はゾクゾクするほど嬉しいんです!
今度は車窓の景色だけでなく、途中下車して現地を肌で感じてくださいね。
バス内をチェック後、杉本さんはハンドルを握って、キリッと真剣な表情でバスを発車させました。
クールボーイと一緒に手を振って八木新宮特急バスと杉本さんへ別れを告げます。
さ〜よ〜な〜ら〜!!
新宮駅に到着するが・・・
相棒達と共に到着の喜びを爆発させます!
うぉおおおおおお!!
着いたアァアアアああ!!
新宮駅はヤシの木が生えた南国でした。
約6時間30分のバス旅。とても楽しいひと時でした。
八木新宮線のバス旅も、これにておしまいです。
さて、帰りのバスの時刻は・・・
・・・え?
・・・
・・・あ
・・・か・・・
帰りのバスがねぇ・・・!
※大和八木駅から八木新宮線に乗る時は注意してください。日帰りでバス往復することは時間的に不可能です。
無計画な旅行プランは後々、大変な事になります。
旅行は計画的に、余裕を持って行動し楽しみましょうね。
ちなみに新宮駅から電車もありますので、日帰りの場合は、行きはバス、帰りは電車といった楽しみ方もできます。新宮名物のサンマ寿司を片手に、熊野湾を眺めながらの電車の旅も楽しいですよ。
最後に大和八木駅から新宮駅の車窓風景をご覧ください。(下の画像をクリック!)
取材協力/奈良交通株式会社
いつ頃から八木新宮線の運転を?