奈良市で殺害された安倍晋三元首相の「国…
奈良市で殺害された安倍晋三元首相の「国葬」を巡り国民の意見が割れている。共同通信社の世論調査で、反対の意見が半数を超えた。
政府は国葬を行う理由について、安倍氏が憲政史上最長の政権を担った点や国際的にも高い評価を受けている点などを挙げる。ただ、戦前にあった勅令の「国葬令」は現行憲法の施行に伴い効力を失った。
そのため、国葬を内閣府設置法に定める「国の儀式」と位置付けて閣議決定した。しかし、野党などからは国民への「弔意の強制」につながるとの懸念や法的根拠への疑問の声が出ている。
事件現場の献花台では安倍氏を悼む長蛇の列が発生し、今回の調査結果は意外な気もする。事件から時間が経ったことや、事件後表面化した政治と宗教団体の関係なども影響したのかもしれない。
やはり国民の税金を使う以上、国会で議論するべきではないか。国会で議決を得れば国民も納得しやすいだろう。
安倍政権の歴史的評価は後世に委ねるべきもの。国民の意見が割れるなかで強行しても国葬の価値を下げ、歴史的評価へのマイナス点になりかねない。(法)