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国原譜

あいにくの天気だったが、奈良市法華寺町…

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 あいにくの天気だったが、奈良市法華寺町の航空自衛隊基地祭は、例年以上に盛り上がりをみせた。国防への関心の高まりのせいか。

 

 なかでも堂々の行進をみせた観閲式は、見守る市民らの目を引き付けた。この光景は昔のフィルムでしか知らないが、80年ほど前の出陣風景と重なる。

 

 赤紙一枚で、戦地に赴いた祖父や父たちがいた。帰らぬ多くの人々とともに、残された人たちも空襲に脅える日々を過ごした。戦争の悲惨さ残酷さを日本人の誰もが体験した。

 

 だからこそ、ロシア軍によるウクライナ侵攻の日々のニュースに、無関心ではいられない。建物や鉄道、橋などが、次々と爆撃される映像は、かつての日本でもある。

 

 二度と戦争をしないと誓った日本だが、もし他国から一方的に攻撃され侵略されたらどうするか、無防備でよいのかと、問われたのが今だ。

 

 国とは領土と人民と主権があって初めて成り立つ。基地祭に関心が集まったのも、防衛について真剣に考えようという現れだろう。今度の参院選でも、大きなテーマとなるに違いない。ただ同じ過ちをしてはなるまい。(治)

 

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