母方の親戚が祖父母らの墓を「墓じまい」…
母方の親戚が祖父母らの墓を「墓じまい」する。郊外の墓地にある墓を撤去し、交通至便な施設で永代供養してもらうという。本家の伯父が亡くなり、跡継ぎもいないため高齢の伯母が決めた。
近年、少子化や価値観の多様化で墓じまいが増えている。ただ、寺院墓地では撤去費用などのほか、檀家(だんか)から離れるための「離檀料」を請求される場合もある。
墓じまいは寺院にとって管理費やお布施などの収入減につながる。特に過疎化が進む地方では新たな檀家を集めるのも難しく、経済的に困窮する寺院も多い。
僧侶の後継者不足もあり、「寺じまい」を決断する寺院も増えている。江戸時代に成立した「檀家制度」も早晩、成り立たなくなるかもしれない。
「弔う」の語源は訪れるや見舞うという意味の「訪(とぶら)ふ」。故人を悼むときには、まず故人や遺族の元を訪れて哀悼を伝えることが大切だということを表しているのだろう。
時代の流れにより、葬送や供養などの形が変わるのは仕方がないだろう。しかし、故人を思う心までは変えたくない。(法)