国原譜
「絶滅」したと思われたフロッピーディス…
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「絶滅」したと思われたフロッピーディスク(FD)に注目が集まっている。山口県阿武町の誤送金問題で町役場が銀行へのデータ受け渡しに使用し、「いまだにFD」との驚きが広がった。
筆者が入社した30年前には、データの一時保存はFDが主流で記事の出稿にも使っていた。その後、CDなどの普及で、10年ほど前にはほとんどのメーカーで生産中止となった。
しかし、インターネットの通販サイトでは、今でも驚くほど多くのFDが売られている。FDにまだ需要がある証拠だろう。
地方の市町村では、阿武町のようにいまだにFDが現役の役所や役場も多いという。財政難や人材不足でシステム更新ができないことが理由と考えられる。
今回の誤送金もオンラインによるやり取りなら防げたミスかもしれない。新型コロナの特別給付金支給の時にも問題となったが、日本の行政や社会のデジタル化の遅れが再び浮き彫りとなった。
とはいえ、FDに罪はない。最新IT技術も完璧ではなく、リスクや人為的なミスも起りうる。技術を使える人材を育てることが最も大切だ。(法)