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国原譜

他人の墓で寝てみたいかと聞かれ、「はい…

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 他人の墓で寝てみたいかと聞かれ、「はい」と答える人は少ないだろう。では古墳なら?。

 

明日香村は昨年、「飛鳥時代の黄泉(よみ)の世界へ」と題した催しを企画、石舞台古墳の石室に置かれた石棺のレプリカに入り、葬送儀式を体験できる内容だった。

 

 儀式を演出する劇団員も配置し、体験費用は10万円。まず費用に驚くが、SNS上では「被葬者の冒涜(ぼうとく)」などと批判が相次ぎ、実施は見送りとなった。今年、場所を屋内に移し、内容も変えて実施する。

 

 古事記に描かれた黄泉国は横穴式石室をイメージしたといわれる。イザナギが見たのは、うじにたかられ、体中に雷神が生じたイザナミの姿だった。

 

 石舞台古墳の石室は光も入り明るいが、崇峻天皇の墓といわれる桜井市の赤坂天王山古墳は流れ込んだ土の上をはうようにして石室に入る。光はほとんど差し込まず、冷気が黄泉の国を感じさせる。

 

 遺跡の保存と併せて活用が重視される昨今だが、誰もいない真っ暗な石室に入り、遺体が朽ちていった様子を想像すれば、身の毛もよだつ被葬者体験ができるだろう。(増)

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