長年の体質や慣習にあらがい新たな方向性…
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長年の体質や慣習にあらがい新たな方向性を打ち出すのは容易ではない。ラグビーの新リーグ発足に際して競技団体の要職を務めた、谷口真由美さんの著書「おっさんの掟」(小学館新書)で改めて感じた。
何となく好調な時は現状打破に二の足を踏みがち。新方針が競技の将来を見据えた継続的発展のためであったとしてもだ。
県内の業界団体の幹部から似た話を聞いた。組織の古株らの声が大きく、若者や女性などの意見、提案に誠実に耳を傾けないと。
結果的に若手らを委縮させてもいるらしい。技術革新の著しい時代に社会の変化や新技術に敏感な若者、女性が躍動できる雰囲気をつくらないと業界の先行きは暗いと力を込めた。
こうした事情を知ると、女性幹部比率の向上、若手登用など改革を進めているように見える組織でも本質的にはどうかとの思いが湧く。「仏作って」の集団は案外多いのかもしれない。
数十年来のラグビー好きだが、同書を読んでもやもやしている。名と実が伴わない場合のしっぺ返しが以前と比べて大きいことも当事者は自覚しておく必要がある。(智)