入学、入園の時期だ。晴れの日を迎えた児…
入学、入園の時期だ。晴れの日を迎えた児童、生徒の初々しい姿、笑顔を目にすると、見知らぬ子であっても無事な成長を願わずにいられない。
しかし危険は常に身近にある。先日も大阪で小学生男児がため池で溺れ、心肺停止になる悲痛な出来事があった。
県内でも身の回りの危険を見つける作業を課す学校がある。ただ個々の子どもの発見がどれだけ共有され、生かされているだろうか。
自身も幼き頃、映画のシーンをまね、工事の残土の山で人がうつ伏せで通れるほどのトンネルを掘っていて、崩れた土にほぼ全身が埋まったことがあった。近くにいた友人に引っ張り出されて事なきを得たが、一歩間違えばの体験だった。
子どもは知識、経験の不足から思いがけない大胆な行動をしてしまうことがある。周囲の大人は教習所の教官同様、子どもを引き留めるブレーキに足をのせた状態でいたい。
他人の子への気軽な声掛けが誤解されかねない社会状況でもある。だが本当に危険な行為には、信念と勇気を持って注意を呼び掛けようと思う。その子や関係する人々の未来のためにも。(智)