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毎年のように教科書を書き換える考古学上…

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 毎年のように教科書を書き換える考古学上の成果が相次ぐ明日香村。その中でも、「戦後最大の発見」といわれるのが昭和47年3月の高松塚古墳壁画だ。今年は発見から50年を迎える。

 

 壁画発見のきっかけは地元の人がショウガなどを保管するための穴の中にあった切石だった。県立橿原考古学研究所などの発掘調査の結果、国内の古墳で初めて極彩色壁画がみつかった。

 

 石室内の壁画には古代の衣装で着飾った人物像や東西南北の守護神・四神などが描かれていた。中でも西壁の女子群像は「飛鳥美人」として名高い。

 

 国宝に指定された壁画は古墳内で保存されてきたが、カビなどの被害で劣化。平成18年、石室を解体して古墳から取り出され、村内の仮設修理施設で約10年かけて修理された。

 

 考古学では遺跡の現地保存が原則とされる。高松塚壁画は発見の輝かしい成果とともに、原則を守ることができなかった事例として考古学の歴史に刻まれた。

 

 壁画の安住地はまだ決まっていない。半世紀の節目に壁画の正と負の歴史を振り返り、文化財保存のあり方を考える機会にしたい。 (法)

 

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