金曜時評

立憲民主党の再生 - 編集委員 高瀬 法義

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 立憲民主党の新代表に泉健太氏が選ばれた。同党は10月の衆院選で公示前から大きく議席を減らし惨敗。旧立憲民主党時代を含めて約4年間、党を率いてきた枝野幸男前代表が引責辞任し、47歳の新リーダーに党の再生が託されることになった。

 

 泉代表は幹事長に西村智奈美氏、代表代行に逢坂誠二氏、政調会長に小川淳也氏と、代表選を戦った3氏を要職に登用。一時は自身も代表選出馬に意欲を見せ、本番では泉代表を支援した衆院県1区の馬淵澄夫氏は国対委員長に就いた。

 

 新執行部の最初の仕事は衆院選敗戦の総括。泉代表は就任後、野党共闘について、「衆院選を検証し、次にどうあるべきかを考えなければならない」と述べて見直しを示唆した。衆院選では立民、国民民主、共産、れいわ新選組、社民の5野党が213選挙区で候補者を一本化して59勝。一定の効果があったといえる。しかし、共産を含む枠組みが、一部の保守層や支持団体の連合などから反発を招いた面も否定はできない。馬淵国対委員長は共産などと開いてきた「野党国対委員長会談」を今後、開催しない方針を示している。

 

 ただ、敗戦の根本的な原因は別だろう。衆院選で自民党が国民から全面的な支持を受けたわけではない。安倍・菅・岸田と続く長期政権への批判はあったが、立民がその受け皿になりえなかった。政権を担った旧民主党の時代に染みついたマイナスイメージを払拭(ふっしょく)できず、政権担当能力を疑問視されたといえる。

 

 泉代表は「政策立案型政党への転換」を訴える。確かに政権を担う上で、政策を立案し実現する能力は必要だろう。しかし、理論や知識ばかりを優先する“頭でっかち”の政党になってはならない。国民の声を聞き、そこから浮かび上がった課題を解決するための法律や予算を作ることが民主政治の原点であり政治家の仕事だ。

 

 しかし、立民は国民の声を聞く能力も弱いと言わざるを得ない。自民と比べると、国民と最も身近な政治家といえる地方議員の数も少なく、組織も脆弱(ぜいじゃく)だ。立民の再生には「草の根民主主義」の原点に立ち返るため、地方組織の強化が求められる。

 

 民主政治には政権与党の政策を監視、批判し、有権者に違う選択肢を示すことができる健全な野党が必要不可欠だ。来年夏には再び国民に信を問う参議院選が控える。党再生に向け、立民に残された時間は少ない。

 

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