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奈良市の啓林堂書店を訪れたら、新直木賞…

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 奈良市の啓林堂書店を訪れたら、新直木賞作家の澤田瞳子直筆サイン本が積まれていたので購入。このような想定外の出合いがあるから書店巡りはやめられない。

 

 平家による南都焼き討ちを描いた「龍華記」(角川文庫)である。東大寺大仏が被害にあったので歴史的に知られるが、この小説は興福寺僧が主人公だ。

 

 澤田作品は、前に大仏建立に携わる人々の物語「与楽の飯」(光文社文庫)を読み、造仏や生活など詳細な奈良時代の描写に感心したことがある。

 

 経歴を知って納得した。京都市出身だが、大学では奈良仏教史、正倉院文書研究を専攻。小説を創作する上で専門知識が生きていると言えるのではないか。

 

 全国に坂本龍馬ファンは数多い。が、司馬遼太郎の小説がなかったら、どうだったろう。その意味で、澤田氏にさらに活躍してもらって奈良ファンを開拓してほしい。

 

 「(学校の)歴史は暗記ばかり」と嫌う人がいるが、小説のように背景の人間模様を想像するとロマンが広がり歴史は面白い。ただ、小説記述は通説ではなく飛躍があるので、受験勉強中の人は要注意。(栄)

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